食料品小売店の店頭品揃え強化(店頭マグネット売場)による集客方法

 食料品小売店の集客や販促において、重要になる「店頭の品揃え」について、取組の方法や手順を説明します。店頭のマグネット効果は、商圏素性によっては、大きな効果を生みます。ぜひ、取り組んでいいきましょう。

目次

1..マグネット売場と期待できる効果とは
2.食料品小売店の店頭マグネット(品揃え強化)の重要性について
3.食料品小売店の店頭マグネット(品揃え強化)の方法(店頭マグネット化)
4.商圏顧客を意識した店頭マグネットの方法
 1)地方お茶屋の現状
 2)成功事例に見る御茶屋の集客方法
 ・学生が多い商圏の場合
 ・地方商店街や街中の商圏
 ・折衷商圏

1.マグネット売場と期待できる効果とは

 スーパーマーケットやホームセンター、ドラッグストア―、あるいは雑貨店等の種々の小売店の店内で、磁石(マグネット)のように、お客様を引き寄せる力がある場所(売り場)のことを指します。特売品を陳列したり、目立つPOPで装飾したりすることで実現できます。

2.食料品小売店の店頭品揃え強化が集客に重要な理由

集客がうまくできない小規模な食料品小売店や種々の雑貨や小物店。
ぜひ、店等の演出に「力点」を置いてみてくださいね。

理由を具体例を通じて1つ紹介します。

写真は、支援先の味噌・こうじ屋です。

店頭に、味噌樽を大々的に展示陳列し品揃えしています。
通行客や、同店にかかわるインターネットの情報を検索すると、店頭の「この味噌樽」が、視覚的にキャッチ―に扱われていることに気が付きます。

つまり、店頭にマグネット効果を期待して、味噌を売るために味噌樽を品揃えしたのです。

結果、たったこれだけの取組で、来店客数は、前年に比べ、約2割増加しました。
さらに、お味噌汁の試飲サービスを始めたところ、更に1割以上増したのです。

3.食料品小売店の店頭品揃え強化の方法(店頭マグネット化)

店頭の品揃え強化(マグネット化)のポイントを以下に列挙します。

・品揃えしている主力商品が店頭で理解されるように
・主力商品の特長的な製造法や加工法、保存法等々が視覚的に伝わるように
・お店のカラーや雰囲気が店頭で視覚化されるように
・店頭の間口の1/4~1/3のスペースを確保できるくらい圧巻な演出
・演出の高さは、間口の高さの1/3~1/2は必要

また、可能な範囲で以下を実施すれば、なお集客効果が高まります。
・店頭の入り口の開放度を高める
 →壁、扉で店内見えないのであれば、原則開放 
 →ガラス張りにできるなら、ガラス張り
 →可能なら、ガラス張りすら全て取り去り、間口≒入り口

4.商圏顧客を意識した店頭マグネットの取組方法と集客事例

1)地方お茶屋の現状

 あらためて、2次データを示す必要はありませんが、全国の御茶屋さんは、大きく減少傾向にあります。それは、皆さんも肌身に感じることでしょう。とは言え、生き残り、活況のある事業者も、沢山いらっしゃいます。そのあたりを俯瞰しながら、成功の方法論を紹介していこうと思います。

2)成功事例に見る御茶屋の集客方法

唐突ですが、写真を先にご覧いただきます。

これは、某地方の商店街に立地するお店の写真です。

ここも集客に成功しているのですが、その道のりを踏まえ、整理すると、決め手は「商圏の研究が熱心であった」ことが挙げられます。

御茶屋さんの集客は、商圏を踏まえて店頭シズルを整えていけば上手く事が運びます。まずは店頭のシズルと、そのシズルに合う店内装飾やサービス展開、品揃えを意識していくと良いでしょう。

・学生が多い商圏の場合

学生といっても、小学校や中学校ではありません。
高校や大学が近くにある場合です。
彼らは、帰り道、寄り道して購買する力を持っています。

彼らの最寄りのコンビニエンスストアでの購買行動を観察していると、春、夏、秋は、氷菓やアイスクリーム類、冬は、肉まん等のホット惣菜類の購買が多いことに気付きます(多くの2次データがあります)。

お茶屋さんとして出来ることと言えば、上記写真のように「抹茶ソフトクリーム」です。これは、皆さんご存知の業者に相談すれば、簡単に実現できることなので、ぜひ、チャレンジしてください。

忘れてはいけないのは、店頭のマグネットの「ソフトクリーム」のマネキンです。しっかりと抹茶色にしてあげてください。

何ら躊躇することなく、学生が「わんさか」寄ってきますよ。

・地方商店街や街中の商圏

近隣に住居が多い商圏の場合、上記写真のように、店頭で石臼などで抹茶を挽いている「絵」をマグネットとして用意しましょう。

先の学生が多い商圏ほどでは無いですが、お茶屋として、単なる仕入れ販売に留まらず、専門性をPRできることになり、少々の日常使いや、お歳暮やお中元等の贈答需要を囲い込む効果があります。

・折衷商圏

どちらとも言えず、上記2つの可能性があるならば、躊躇せず、上記写真のように、両方実施しましょう。投資費用の軽減には、通年募集の小規模事業者持続化補助金が1番適切です。ぜひ、採算を計算し、チャレンジしてみてくださいね。

参考記事

・想定している顧客層(ターゲット)にとって存在価値のある宿泊サービスになっているか
(→商品やサービスの存在価値の発見や決め方の記事が参考になります:こちらをクリック
・提供している商品やサービスが、顧客ニーズを充足したものか
(→顧客ニーズの把握の仕方記事が参考になります:こちらをクリック
・想定している顧客層の心情に響くチラシになっているか
(→チラシの作成の仕方や集客の仕方の記事が参考になります:こちらをクリック
・想定している顧客層の心情に響くPOP(掲示)になっているか
(→POPの作成の仕方や集客の仕方の記事が参考になります:こちらをクリック
・web検索の主力になりつつGoogleビジネスプロフィールの運用は出来ているか
(→Googleビジネスプロフィールの運用や事例の記事が参考になります:こちらをクリック

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久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

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