ヴェブレン効果活用による高級志向商品開発の手順(仕方)

飲食業、食品製造業、農業者の売上獲得支援をしている中小企業診断士の久保正英です。

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今回は、支援先からも多々、要望のある「高級志向」の飲食メニュー開発や、加工食品の商品開発の手法について、説明していきます。

高級志向の商品事例 https://koikeya.co.jp/

前回、多くの事業者が、高級志向のチャレンジに失敗する理由、苦戦する理由を説明しました。消費者の心にある「ヒューリスティック」に配慮していないという点が理解いただけたことと思います。

⇒ 前回の記事はこちらをクリック

これを踏まえ、ヴェブレン効果というものを活用し、商品化やメニュー開発を、成功させる確率を上げる手法について説明していきます。

ヴェブレン効果とは

商品やメニューの実用的な効用(つまり、お腹を満たす等)だけでなく、「何かしらの特別感によって、その商品やメニューを手に入れることに価値を見出す」という消費者の購買行動や思考を利用するもの。

ヴェブレン効果を活用した高級志向の商品開発やメニュー開発の勘所

その商品やメニューを、「手に入れることで得られる「特別感」」を、どう商品仕様に反映し、消費者に訴求していくかを考えることです。また高級志向というものは、必ず比較対象があるもので、既存の自社商品、業界で定番の商品など、必ず消費者が比較できることがポイントです。

また、食品事業者や飲食店における高級志向の展開は、食材や素材、調味料にコダワルということ、さらにはパッケージのデザインやシズル感を高級にすれば良いという単純なことではありません。あくまで後述するような特別感を消費者が得られるという設計が先にあり、その副産物として、これらのコダワリが活きてくると理解してください。

ヴェブレン効果を活用した商品開発やメニュー開発の取組ステップ

STEP① 消費者が特別だと感じてくれる要素を発掘する(決める)

食べ物ですから、常用を念頭に「常用することで得られるネガティブ要素から発掘」ができます。例えば、以下のような要領です。

油で揚げた食品であれば、カロリー摂取が過多になる、胃もたれが激しい等。ジャガイモを加工した食品であれば、糖質摂取が過多になる等。丼メニューであれば、栄養バランスの偏り等。

とにかく、高級志向に仕向けたいベース商品や、メニューのネガティブ要素を書き出していくことがポイントです。

STEP② 発掘した(決めた)要素を活用し特別だと感じるストーリーを設計

ここは、STEP①で念頭に置いた「ネガティブ要素」を「特別だと感じるストーリー」に変換していく作業が必要です。具体的には「ネガティブの軽減」あるいは「ネガティブの改善」です。例えば、次のようなことです。

・油で揚げた食品であれば、カロリー摂取が過多にならないものは特別だと実感してくれるのではないか?

・油で揚げた食品であれば、胃もたれが抑えられるのであれば、特別だと実感してくれるのではないか?

・ジャガイモを加工した食品であれば、糖質摂取が過多にならないものは、特別だと実感してくれるのではないか?

・丼メニューであれば、栄養バランスの偏りが改善できれば、特別だと実感してくれるのではないか?

STEP③ 特別だと感じるストーリーを「あるべき」商品やメニュー像に設計

ここは、STEP②で念頭に置いた「ストーリー」を、具体的な商品やメニューとして「あるべき姿」として、提言することです。ただし、特別感を演出する手段は、「加工」や「調理」に重きを置き、その上で「希少性」「限定性」を加味して「像」として仕立てることがポイントです。例えば、次のようなことです。

・油で揚げた食品の事例

ダメな商品やメニュー像:わずか***株しか栽培されていない春菊の低カロリー天ぷら

加工や調理に特別なノウハウが無く、この春菊を栽培した事業者から仕入れが立てば、誰でも作れてしまうところが残念。価値があるのは、この商品ではなく、原料の春菊である。

良い商品やメニュー像:100ケ限定のカロリーオフ製法の春菊天(春菊の天ぷら)

加工や調理に特別なノウハウ等があることがわかり、他の事業者では追随できない点が、消費者にとっての特別感を演出できる。

1番理想な商品やメニュー像:わずか***株しか栽培されていない100ケ限定のカロリーオフ製法の春菊天(春菊の天ぷら)

加工や調理に特別なノウハウ等があることがわかり、他の事業者では追随できない点が、消費者にとっての特別感を演出できる。また、希少な「わずか***株」しか手に入らない春菊を使用しているのであれば、その特別な感覚は、なお一層、消費者の事前期待を醸成する。

STEP④ 高級志向の商品やメニュー開発は原料やシズルありきでは無い

最後に、まとめておきます。既述のとおり、特別感の表現として、パッケージデザインの高級感や、原材料のコダワリがあれば良いのですが、逆に、パッケージデザインの高級感や、原材料のコダワリがあれば「高級志向の商品開発」だというのは間違いです。そこを忘れないで取組みましょう。

==お知らせ==

ほか、商品開発やメニュー開発で必要な売上や集客につなげたい方向け記事を用意しています。一覧はこちらを クリックしてください。

久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

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