飲食店・食品メーカー必見!集客と販促を成功に導くチラシ・フライヤーの作り方(作成方法)・デザイン・外注・相場の完全ガイド

「チラシは、どうやって作成すれば良いですか?」
「フライヤーの作成の方法は?」
「チラシの作成の方法は?」

多くの飲食店や食品メーカー(食料品製造業)の方々が、悩まれている課題です。

集客や販促を成功させるためのチラシ(フライヤー)の作成の最大のポイントは「捨てられない内容が書いてあること」「役に立つ内容が書いてあること」です。この域に達するよう努力しましょう。

目次

0.はじめに:チラシ・フライヤーがもたらす「顧客価値(存在価値)」とは

飲食店や食品メーカーの皆様が、集客や販促のためにチラシやフライヤーを作成しようと考えたとき、まず一番に考えるべきことは何でしょうか?

それは、単に「新メニューができました」「安売りしています」というお店側のお知らせを載せることではありません。

大切なのは、そのチラシを手にしたお客様に「どのような顧客価値(=素敵な体験や課題解決)を提供できるか」を伝えることです。

例えば、「毎日の献立を考えるのが大変」という主婦の方に、時短で美味しいお惣菜を提案する。

「特別な記念日を祝いたい」というご家族に、最高の思い出になるディナーコースを提案する。

チラシやフライヤーは、単なる紙切れではなく、お客様の日常をより良くするための「ラブレター」であり、お店の「存在価値」そのものを届けるツールです。この本質を念頭に置いて作成することで、捨てられず、お客様の心を動かす販促物になります。

1.ワンキャッチ・ワンビジュアル

これから、チラシ(フライヤー)を起案し、その上で活用して、新規客を獲得したり、既存顧客からの再購買を促したり、といった経緯を説明していきます。しかしながら、もっとも重要なことを先に示してから、お読みいただいた方が、理解が深まると思いましたので、あえて先頭に、1番大事なことを紹介しようと思います。

チラシ(フライヤー)を、小規模事業者が自ら作成し、集客に活用する際に1番大切なことは「ワンキャッチ・ワンビジュアル」になっているか?ということです。チラシを見た際に目にはいってくる文字情報と、イラストや画像情報が一致しているかということです。そう視線誘導が1番重要です。見込客が「どういったことが書いてあるチラシ(フライヤー)」なのかを一目瞭然にする努力が必要なのです。例えば以下の画像は、支援先の酒粕卸の事業者が作成している仕掛のデザインです。点線の赤で囲んでいますように、視覚情報と文字情報が一致していますね。チラシ作成のスタートは、ここから始まります。ただし、この酒粕卸の事例のチラシ、参考にしてはいけませんね。たくさん問題点がありそうです。それは、以後の学びが終わった後に理解いただけるはずです。

1番、目に入る文章は? 酒粕専門店
1番、目に入る絵(イラスト・画像)は? マスに入った酒粕

2.「チラシ」と「フライヤー」の違いとは?目的別の使い分け

販促物を作る際、「チラシ」と「フライヤー」という言葉をよく耳にしますが、この2つの違いをご存知でしょうか?実は、語源や使われるシーンによって明確な違いがあり、ターゲットに合わせて使い分けることが集客成功の第一歩です。

1)チラシ(散らし)とは

語源は「周囲に散らす」ことから来ています 。広範囲に大量に配ることを目的としており、主に新聞折込やポスティングなどで活用されます。大衆向けに「お得な情報」や「生活に密着した情報」を伝えるのに適しており、スーパーの特売やデリバリーのメニューなどに多く使われます。下記画像は、支援先の八百屋がリニューアルオープンするにあたって、配布したチラシです。文字どおり「周囲に散らす」ために、出来る限り、紙代は安く済ませた仕様にしています。

チラシの事例

2)フライヤー(Flyer)とは

語源は「空を飛ぶもの(飛行機やヘリコプターから撒かれていた歴史)」から来ています 。現在では、店頭のラックに置いたり、イベントで手渡ししたりする、比較的コンパクトで厚手の紙を使った販促物を指すことが多いです 。デザイン性が高く「おしゃれなイメージ」を持たせやすいため、カフェの案内や新商品のブランディング、ライブやイベントの告知に適しています。

3)目的別の使い分け例

• 広く認知・即効性を求めるなら「チラシ」(例:オープン告知、期間限定セール)
• 世界観を伝え、手元に残してほしいなら「フライヤー」(例:こだわり食材の紹介、ブランドブック代わり)

つまり、手元に大切に取っておいてもらえるようにするものがフライヤーで、破棄されても良いので、今の旬を届ける情報があるのであれば、チラシを活用します。

3.集客できるチラシ作成の基本的な考え

これまでに、このような経験はありませんか。「チラシを沢山配ったけど、反応が薄い」といったことです。何か原因がありそうです。そこで、このような経験をお持ちの方は、最低限、以下に記載することを、留意して取り組んでみてくださいね。

1)集客が目的か販促が目的かを明確にする

チラシやフライヤーを作成する際は、集客するためのチラシなのか、販促するためのチラシなのかを、目的をしっかりと検討して、目的に添ったチラシやフライヤーを作成することが大切です。先ほどの八百屋のチラシは、リニューアルオープンを知らせたいわけですから、集客が目的です。

ポイントを説明しますと、集客は「あなたのお店や商品(サービス)に関心や興味をもっていただく」こと、販促は「その興味や関心を持ったお客様が、この際だから購入してみようか!」と思っていただけるかということです。つまり、集客と販促は別々の概念だということを忘れないでください。

(参考記事)

⇒集客策と販促策の相違と実施方法を成功事例で説明

2)見るお客様の立場(ベネフィット:便益)を表現

多くのチラシやフライヤーは、自店の商品やサービスのアピールに注力し過ぎて、一方的な情報になっていることが多いです。「これはすばらしい商品(サービス)です!」だから「買ってください!」といった情報まみれのチラシを見て、「買いたい!と思ってもらえるでしょうか。このパターンが1番、集客や販促に貢献できないものです。手渡されたお客様の方が、うんざりしてしまうこともあります。

従って、チラシやフライヤーを作成する際は、お客様のベネフィット(便益)を考えるようにしましょう。なお、その便益はどうやって考えるんだろうと悩まれることもあろうと思います。その場合は、その紹介しょうとしている商品やサービス・お料理などの存在価値(顧客価値)や顧客ニーズの検討が甘いと言えます。チラシを作成する前に、その商品やサービス・お料理が「誰の、何のために、必要とされているのか?」を再考してから、取り掛かりましょう。

(参考記事)

⇒顧客価値とは?顧客価値はどうやって構築するのか?が知りたい方は「御店・商品・サービスの顧客価値(存在価値)の構築とコンセプトの設定手順や方法」の記事が参考になります。

⇒顧客ニーズとは?潜在・顕在ニーズの違いと飲食・食品・小売業での把握方法【事例付】

3)チラシは気になって目に留まることを意識して作成

当たり前のことですが、大切なことですね。手に取ってもらえるには「気になって目に留まる」という点に留意しなければなりません。そのあたりを意識して、作成していくことになります。

目に留まるには「キャッチコピー」「見た目のデザイン」が重要になります。「見た目のデザイン」はいかに目立たせるか(派手ということではありません)、「キャッチコピー」はいかにしてお客様の心理をつかむかがポイントです。「キャッチコピー」や「見た目のデザイン」は、個々の事業者だけで決定していくことは難しいのが実情です。そこで、大まかのデザインと仮のキャッチコピーを作成し記載したら、商工会や商工会議所、あるいは知人の事業者に「伝わるか?」の視点で、尋ねてみることをお勧めします。その際、10人くらいに確認し、10人ともOKだと、良いチラシだと言えます。

「チラシは視覚で伝えるもの」のため、見た目のデザインの役割は重要です。見た目のデザインは、イラストや画像、色や色彩、色調等で実現できます。チラシで伝える情報が「情緒的」「想像できるか」「実用的」なのかによっても変わってます。例えば、美容をテーマにした飲食メニューを展開する飲食店の場合、「美容」が伝えるテーマですから、綺麗な女性や可愛い女性の画像やイラストを使うと良いでしょう。これは、「あなたもこんな風になれますよ!」を伝えることになりますので、イメージや雰囲気を伝えることが重要になるからです。つまり、「情緒的」「想像できる」と言えます。一方、士業などのサービスでは、実績や料金等の情報も重要です。言葉で言うと「実用的」と表現できます。あるいは、仕事の風景を載せ、このような支援が受けられるのかといったイメージを醸成するよう心がければ、「想像できる」という側面も必要になります。

(参考記事)

⇒チラシが目に留まる(視覚に)かを検討する際は、記号消費というテクニックが活用できます。詳しくは「【事例付】記号消費を活かした飲食店・食品メーカーの集客・販促ガイド|観光客を惹きつけるブランド価値の作り方」の記事を御覧ください。

⇒気になって目に留まるという手段は「色のデザインの選択方法」が活かせます。色を有効にデザインに活かすことで、気になって目に留まるということが創出できます。こちらの記事(⇒食品パッケージデザイン「色」の決め方!売れる色彩心理・配色比率・タブーを解説)も参考にしてください。色彩戦略が学べます。

備考)「画像かイラストか」いずれを選択するかの判断

一概に、こうあるべきといったものはありませんが、見た目で不快感を持たせてしまうものは画像を避けます。例えば、ケガの傷口を治す薬、害虫の駆除サービス等では、傷口や害虫を載せてしまいそうですが、可能であれば実物を避け、イラストに置き換えた方が、心象が良いことが多いです。

また、高齢者をターゲットにする飲食店等の場合、高齢者向けを想起してもらうために、高齢者の画像を活用する方もいらっしゃいますが、イラストの方が、若く見えるという「種々の2次データ」や「研究論文」がありますので、若々しく活動的なイメージを伝えるため、イラストにすることも多いです。

4.マーケティング心理学を活用した視線誘導とキャッチコピー

お客様の目に留まり、最後まで読んでもらうためには、「マーケティング心理学」に基づいたレイアウトや見せ方が非常に有効です。

1)Zの法則・Fの法則による視線誘導

人間の視線は、横書きの紙面を見る際、「左上→右上→左下→右下」と「Z」の字を描くように動く傾向があります(Zの法則)。また、Webサイトなどのように「F」の字に動くこともあります。この法則を利用し、一番伝えたいキャッチコピーを左上に、購入や予約のアクション(QRコードや電話番号など)を右下に配置すると、お客様にストレスなく情報を伝えることができます。

2)色彩心理効果を活用する

色は無意識に感情に働きかけます。「赤やオレンジ」は食欲を増進させ、活力を感じさせるため飲食店に最適です。「緑」は健康や自然を連想させるため、オーガニック食品や無添加の訴求に合います。ターゲット層に合わせてメインカラーを選びましょう。

⇒色彩心理や色彩戦略は「食品等のパッケージ デザインの色の決め方・手順・色の選択の方法」を御覧ください

3)アンカリング効果でお得感を演出

価格を提示する際、「通常価格1,500円のところ、本日限定で1,000円!」と見せる手法です。最初の数字(1,500円)がアンカー(基準)となり、後の数字(1,000円)がより魅力的に、お得に感じられます。

5.売れるチラシに記載すべき5要素

1)流行や季節性

言葉の通りですが、チラシを見た方に「情報が新鮮であったり、時流を得たもの」であることをPRするために、盛り込みたい要素です。例えば富士山が景観にあるカフェの「売りのランチメニュー」が、富士山カレーの場合、冬のみホワイトルーを使ったカレーとしてPRするならば、「富士山が雪化粧しました♪」といった表現(文字、画像やイラスト)をとるということです。

2)用途

例えば、先のカフェが、テイクアウトをPRする場合、「自宅で雪化粧した富士山カレーをどうぞ♪」といった「遊び心」も面白いでしょう。用途が明確に伝わります。ポイントは、用途を直接的表現(この場合、お持ち帰りできます」ではなく、情緒的に表現できるかがポイントです。無論、「⑥チラシは気になって目に留まることを意識して作成」にある実用的な商品やサービスの場合は、直接的な表現もOKです。

3)商品の魅力を伝える言葉

キャッチコピーとなります。商品やサービスのイメージを端的に伝える言葉を用意して記載しましょう。先のカフェの事例では、「富士山カレーに冬が訪れました!」といった具合でしょうか。

4)誰もがわかる呼称

説明するまでもありませんね。上記のカフェの場合、「カレーライス」のPRだとわかるか否かがポイントです。

5)お得情報

チラシを見て、わざわざ来店する、購入する、体験するといった衝動を誘発できるように表記します。「せっかくなので、この時に利用してみよう!」と消費者の心理が誘発出来るかに神経を使います。例えば「通常600円のところを567円(コロナ円)でテイクアウト可能です」「通常大盛50円オンのところを無料」といった具合です。

備考)来店して欲しい飲食店やサービス業の場合は、アクセス手段、駐車場の有無、所在地等も明記するようにします。可能であれば、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)で、ナビゲーションが直ぐに掛けれるマップのQRを掲載するのも良いです。

6.お客様に必要と感じさせるチラシ作りの2要素

ここは、少し上級者向けになります。

自らの事業のおススメの商品やサービスを1番知っているのは無論、当事者の皆さんです。しかしながら、お客さんが1番関心が高いものや興味があるものを、知ろうとすることは難しいものです。例えばカフェに来店するお客様は、珈琲を飲みたい、のどを潤したいといった方々だけが来店しているわけではありません。休憩をしたい、会話を友人と楽しみたい、等々、様々です。

つまり、皆さんの商品やサービスが、お客様にとって、どのようなメリットがあるのか、どのような価値を感じてもらえるのか、等々を記載するようにします。これは言い換えると「お客様の役に立つ」ということです。

余談ですが、お客様に役立ちチラシは捨てられないことが特長です。逆の発想で、捨てられないチラシを作成できたならば、それは、お客様の役に立っているということです。

1)お客様の役に立つチラシとは

下記画像は、身延山ロープウェイなのですが、わかりやすい事例だと思いますので紹介します。ここの観光地は、季節によっては渋滞が酷いエリアのため、この観光地に辿り着くのに、あるいは、観光地から退出するのに、相当の時間を要します。ですから、周辺の観光拠点に、この画像のようなチラシを、設置しているのです。

結果、渋滞の抜け道がわかる!ということが「チラシを捨てない理由」になり、この地域の観光中に、手元に置いておいてもらえるようになったようです。つまり、車で観光に来られた方の役に立つチラシに成ったのです。このチラシの場合、この地域の観光の間は、捨てられることがありません。渋滞時の抜け道の検討に役立つからです。つまり「役に立つ⇒捨てられない」という構造になっています。

また、下記画像は神戸の南京町の老祥記「豚饅頭屋」で豚まんが有名な繁盛店ですが、こちらが集客に利用しているチラシも、是非、参考にされてください。

神戸を観光中に「役立つように」、最低限の観光情報(観光を楽しんでいる文脈で役に立つ情報)を掲示しています。結果、観光中は捨てられないようになっていったのです。これも、「役に立つ⇒捨てられない」という構造になっています。

また、御土産で、この肉まんをもらった方に、このチラシをセットで渡されることも想定すれば、下記画像のように、おいしい食べ方が書いてあるので(役立つので)、食べるまでは捨てられないことでしょう。このように如何に役立つを念頭に置き続けたチラシ内容を検討することが重要です。

2)捨てられないチラシとは

下記事例画像は、当事務所が支援した子供向けのイベントのチラシになります。

このチラシを受け取った方が見込客です。子連れの方をターゲットに配布しました。子供連れの親御さんは、時間があったら立ち寄ってみようと思うのでしょうが、販促として「もう一押し」必要だと考え、左上に外れ無しの抽選券を付すことにしました。

抽選券があるから、当日までは捨てないでおこう、そのような心理が働いたのでしょう。来場者の9割超が、このチラシを手元に持って、来場してくれました。

つまり「捨てれない⇒(お出掛けの)役に立つ」という構造になってい

7.捨てられない・役に立つチラシによる集客事例

1)「サキホコレ 金乃粽」チラシ:贈答の不安を解消し信頼をデザインする「ギフト・ソリューション」

・顧客価値の視点:「贈る側のリスク」をゼロにする機能性

フライヤー事例

高価格帯(6個8,100円)のギフトにおいて、顧客が最も恐れるのは「贈った相手に価値が伝わらないこと(=センスを疑われること)」です。

・機能的価値の裏付け:「サキホコレ(高級米)」「ウナギとアワビ」「無添加」という3つの具体的特長を明記することで、顧客に「なぜ高いのか」の説明責任を代行しています。

・情緒的価値の提供:「贈られた方が納得」というキャッチコピーは、顧客(贈り主)の「相手に喜ばれたい、感銘を与えたい」という自己実現の欲求に直接応えています。

・マーケティング心理学:意思決定を促す「限定」と「信頼」

このチラシには、顧客を迷わせずに購入へと導く心理的トリガーが巧みに配置されています。

・希少性と緊急性(デッドライン効果):画面最上部の「11月11日までのご注文特典(1つ増量)」という赤い帯は、今すぐ行動すべき理由を明確に提示しています。

・権威性と社会的証明:「和食職人が、無添加・自然由来の調理で」という記述は、プロの技術に対する信頼を担保し、高単価に対する心理的障壁を下げています。

・文脈の提示:チラシ下部に「冠婚葬祭・内祝い・お年賀・お歳暮」と具体例を列挙することで、顧客が「いつ、誰に使うべきか」を想起しやすくしています。

・価値共創マーケティング:「秋田の誇り」を共に届ける体験

価値共創とは、企業と顧客が共に価値を創り出すことです。このチラシは、単なる商品の販売ではなく、「秋田の最高級を大切な人に届ける」というプロジェクトへの招待状になっています。

⇒価値共創とは顧客価値の記事で紹介しています「御店・商品・サービスの顧客価値(存在価値)の構築とコンセプトの設定手順や方法」

・ストーリーへの参画:秋田の最新ブランド米「サキホコレ」を使用している背景を語ることで、顧客は「単なる食べ物」ではなく「地域の誇りや物語」を贈る立場になります。

・情報のポータビリティ(持ち運びやすさ):1箱からお取り寄せ可能、WEB注文可能、QRコード完備といった「購入プロセスの簡略化」は、顧客の利便性を高め、価値享受までの摩擦を最小限に抑えています。

・なぜ「捨てられない」のか?

このチラシは以下の理由で手元に残されます。

・「ハズさない贈り物リスト」としての保存:冠婚葬祭や季節の挨拶の際、「あそこの高級ちまきなら間違いない」という情報を手元に残しておきたいという心理が働きます。

・メニュー・カタログとしての質感:商品写真のクオリティが非常に高く、シズル感(おいしそうな感覚)が強いため、視覚的な満足感から「とりあえず取っておこう」という心理的保有を促します。

2)【事例分析】なぜ「老祥記」のチラシ:顧客の体験をデザインする「価値共創型」チラシの秘密

・「機能的価値」の提供:単なる宣伝ではない「道具」としてのチラシ

老祥記のチラシの裏面は、もはやチラシではなく「神戸観光マップ」そのものです。

・顧客価値の視点:観光客にとって、現在地から三宮や元町、ハーバーランドへの距離感や徒歩分数がわかるマップは、旅の利便性を高める「実用的な道具」です。

・心理学的アプローチ(返報性の原理):「有益な情報を無料で提供してくれた」という心理が、ブランドへの好意を生み、結果として店舗への再訪や口コミへと繋がります。

・「おいしい食べ方」の教育:価値共創マーケティングの実践

表面には、豚まんの「おいしい召し上がり方」が詳細に記されています。これは現代マーケティングにおける「価値共創(Value Co-creation)」の優れた例です。

・価値共創の視点:「豚まんは店が作って終わり」ではなく、顧客が「最高の状態で食べる(蒸し直す、タレを工夫する)」というプロセスに参加することで、初めて「最高のおいしさ」という価値が完成します。

・顧客体験の最適化:「どうしても冷えてしまった時」の対処法(フライパンで焼く、揚げ物にする等)を提案することで、購入後の失敗を防ぎ、顧客満足度を最大化させています。

・歴史と物語による「権威性」と「信頼」の構築

チラシ上部には「元祖」「1915年(大正4年)創業」という文字が躍っています。

・マーケティング心理学(権威勾配・社会的証明):「元祖」という言葉は、顧客の意思決定を簡略化させる強力な力を持っています。「ここが発祥なら間違いない」という安心感を与え、競合他社との強力な差別化要因となります。

・ナラティブ(物語)の共有:中国の船員さんの憩いの場であったという背景を語ることで、単なる食べ物に「歴史の重み」という情緒的価値を付加しています。

・徹底した「顧客目線」のQ&A設計

チラシ右下の「比較的混雑の少ない時間帯」の記載は、顧客の最大の不安(行列への心理的ハードル)を解消するための配慮です。

・マーケティング心理学(損失回避):「せっかく行ったのに長時間並んで時間を無駄にしたくない」という顧客の不安を先回りして解消しています。

・利便性の提供:定休日やアクセスの詳細に加え、あえて「売切れ次第閉店」と記すことで、希少性を演出しつつ、早めの来店を促す心理的トリガー(緊急性)としても機能しています。

・長期保存を促す「リニューアル告知」の戦略

地図面の上部には「店舗のリニューアル工事(2025年〜2026年)」のお知らせが記載されています。

・情報の鮮度:「今、店はどうなっているのか?」という最新情報を載せることで、リピーターにとっても「取っておかなければならない情報」へと昇華させています。

3)飲食以外の事例(家具製造業):20年保存されるフライヤー

私の事務所から「ほど近い」家具の製造販売事業者の事例を紹介します。
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(本社 相模原市 旧藤野町)
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(東京 渋谷区神宮前)

1点から数点物の椅子(少々テーブル)を、種々のコダワリ(木の産地、木の種類、造形や形状、デザイン等)に共感してくださる顧客を中心に製造販売しています。8割がリピーターで、2割が新規の売上構成比です。実は、この2割の新規、ここが同社の特長なのです。

主要商品は椅子です。利用場面や用途に応じた1点ものを得意としています。
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脚本家の倉本聰氏や有名旅館など、顧客として家具や装飾業界に影響力の多いインフルエンサーを多く抱えているのも特徴です。ここの椅子はとにかく重い(笑)ことが特徴です。

お客さんからは、重厚で頑丈な造りのため「重い」と言われることが多いのです。ただ、1人1人の姿勢等に合わせたり、矯正したり、とのコダワリが評価され、「座り心地は、申し分ない!けれど「重い」」(笑)のです。そう、ここの経営方針が「重いから想いへ」。社長が関西人ですから、そのあたりの表現も「工夫」が有ります。

さて、先ほど、新規が2割、ここが大事と紹介しました。実は、同社、新規の御客様は最大で20年前のチラシを手にして来店されるのです。ここの椅子は1点もので種々のコダワリがありますので、ニトリやIKEAで気軽に購入ってなノリにはなりません。なにせ高価格の値付けですから。

ですから、チラシを手にしても直ぐに買えなく、いつか戸建てを購入したら、いつか出世したら、そんな発想でチラシを大事に保管されて、数年から20年後に来店され、購入していくのです。

ただ、これは偶然ではありません。「良いチラシ」は「捨てられないチラシ‥」だと理解して行っています。
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ポイントを紹介すると・・
⇒「椅子」の「暮らしの中での役割」と「良い椅子の選び方の説明」
⇒ 家具の「暮らし」での位置付けと「良い家具の選び方の説明」
⇒ どういう人と同社は「お客様」と出逢いたいかの要望(同社からの顧客の選別)
⇒コダワリの説明の詳細さ

このチラシを受け取った方は、椅子や家具を選ぶ際の留意点等が書かれているため、いつか役立つと思い、捨てられないと言います。同社の社長は、反応率は0.1%程度で良いと話します。椅子や家具へ「本気のコダワリ」が持てるお客様は、0.1%ぐらいしか存在しないのだとの見解です。

8.チラシはPOPづくりの方法アプローチでも作成可能

食料品小売店(洋菓子店、和菓子店、食品スーパー等)や雑貨屋、飲食店(居酒屋、カフェ等)の場合は、店内POPの作成と同期させると、チラシ作成も容易になります。その場合は、本記事情報よりも、こちらの「食品や和洋菓子・小売店・飲食店等のPOP作成の手順や方法」をご覧いただき、作成していった方が早いでしょう。参考までに。

9.価値共創を生み出す!お客様と一緒に育てるチラシ・フライヤー戦略

これからの時代のマーケティングでは、企業からの一方的な発信ではなく、お客様と共に価値を創り上げる「価値共創」の視点が欠かせません。チラシやフライヤーも、ただ配って終わりではなく、お客様との双方向のコミュニケーションツールとして進化させましょう。

1)SNSとの連動でUGC(ユーザー生成コンテンツ)を生み出す

チラシにInstagramやLINEのQRコードを配置し、「#(店舗名)で感想をシェアしてね!」と記載します 。無論、シェアしたくなる仕掛けを念入りに仕込む必要があります。お客様が自発的にSNSで発信してくれる仕組み(UGC)を作ることで、チラシを受け取った1人のお客様から、何十人もの潜在顧客へ情報が拡散されます。

2)お客様の声をチラシに反映させる

「お客様からいただいたアイデアで新メニューが完成しました!」など、顧客参加型のストーリーをチラシに掲載します。お店と一緒にメニューやサービスを育てているという感覚が、リピーター(ファン)の獲得につながります。

10.チラシ作成は自作すべきか外注すべきか

チラシは原則、自作すべきです。外注すれば「おしゃれ」で「カッコ良い」ものになることは間違いないですが、お客様に伝えたい想いが薄れてしまうことがあります。これは仕方ないことで、チラシを作成することを事業にしている会社は、あなたのチラシ以外にも、並行して多くのチラシを手掛けており、あなただけに想いを寄せて作成することは現実的に困難だからです。

ただし、外注先で「あなたの事業」を親身になって理解してくださる事業者が居れば、外注もOKでしょう。その場合、少なくとも以下の知見を踏まえた上で、その作成したチラシが、これらの要件をちゃんと満たしているかを確認するようにしましょう。

1)チラシを自作することのメリット

チラシ自作をオススメするわけですが、それには他にも理由がたくさんあります。その一例を次に紹介したいと思います。
→コストを削減できる
チラシを外注で依頼する場合、その業者に支払う費用が発生します。その費用が削減できます。

→編集が後から容易にできる
これが1番のメリットだと言っても過言ではありません。例えば、過去のチラシを少々編集すれば今回も充足できるPRになるとしても、外注している場合、簡単に編集ができないことが多いです。つまり、外注先のデザイナーに都度、修正依頼する手間や時間、費用が掛かってしまいます。ですが、自作すれば、このような心配はありません。

また、チラシを自作できれば、チラシを受け取るお客様のイメージに合わせて、内容を細かく変更できるようになります。例えば、新聞折り込みの時、ポスティングの時、店内で配布する時、店頭のラックに置く時、友人や知人のお店に配ってもらう時、等々それぞれの場面で、お客様の置かれている状況は異なりますから、PRする内容が変わっていくことは、当然のことと言えます。

店内のレジで作成したチラシを渡す場合、1度、店内で食事をしたり、購買した方が対象だったりしますよね。一方、店外で配る場合、新規客を獲得することが目的だったりします。このように、チラシを受け取るお客様をイメージして作成することがチラシ作成の基本ですので、手渡す相手に対して、細かく修正があることが「健全」だと言えます。

2)外注する際は原案を用意

時間的都合等から、自作が難しい場合は、少なくとも原案は自作するようにします。なぜならば依頼料が安く済むことが多いからです。原案で発注すれば、デザイナーが考える時間や手間を削減できることに繋がるため、依頼料の交渉の時に有利に働くからです。

11.チラシの自作は何で作ると良いか

1)Microsoft Officeの「Word」、PowerPointの無料テンプレート

チラシの作成では、Microsoft Officeの「Word」、PowerPointが小規模事業者の皆さんの場合、身近でしょうか。文書作成が目的のソフトですが、チラシも作成しやすいようになっています。Wordは多くの方のパソコンに入っていますので、ファイルを受け渡す場合も便利です。また、デザイン性が求められるパワーポイントやAdobe社の「Illustrator」なども使えるようになると良いですね。もちろん、それなりに経験が必要なので、はじめての方には、難しいでしょう。ですから、操作が容易なWord、それからPowerPointあたりから、まずはチャレンジしてみてくださいね。

マイクロソフトのPowerPoinは、無料で使えるテンプレートがありますので、そこを出発点にすると作成時間が大幅に短縮できます。何より、PowerPointはデザイン性が豊かなのがおススメのポイントです。「PowerPoint 無料テンプレート チラシ」とGoogleやYahoo!等で検索していただければ、ダウンロードページに辿り着くでしょう。

他にも、以下のような無料テンプレートが用意されているお得なサービスもありますので、ぜひ活用をご検討ください。

・プリントパック(⇒こちらクリック
・POPKIT(⇒こちらクリック

2.無料アプリ・AIの活用

近年は、デザインの専門知識がなくても、簡単におしゃれなチラシやフライヤーを自作できるツールが充実しています。

1)無料デザインアプリ(Canvaなど)の活用

スマホやパソコンからブラウザで使える「Canva(キャンバ)」などの無料デザインアプリは非常に便利です 。飲食店向け、イベント向けなど、プロが作った数万種類の無料テンプレートが用意されており、写真やテキストを差し替えるだけで、洗練されたデザインが完成します 。

2)生成AI(ChatGPTなど)を活用したアイデア出し

キャッチコピーが思い浮かばない、構成に悩むといった場合は、最新のAIツールを活用しましょう 。例えば、「30代の働く女性に向けた、無添加の冷凍お惣菜のチラシのキャッチコピーを5つ考えて」とAIに指示するだけで、魅力的なアイデアを自動生成してくれます 。

12.チラシ・フライヤーの適切なサイズと印刷・用紙の選び方

チラシやフライヤーの印象は、「サイズ」と「紙質」で大きく変わります。目的に合わせて最適なものを選びましょう 。印刷は、「ラクスル」や「プリントパック」などのネット印刷を活用すると、格安かつ短納期で仕上がります 。

1)サイズの選び方

・A4サイズ: 最も一般的で、情報量をしっかり載せられます。新聞折込やポスティング、店頭の手渡しなど万能です 。
・B5サイズ: A4より一回り小さく、大学ノートのサイズです。手に取りやすく、ポスティング時の投函もスムーズです。
・ハガキサイズ(A6等): フライヤーとして店頭のレジ横に置いたり、DMとして送ったりするのに適しています。カバンにしまいやすいのもメリットです 。

2)用紙(紙質)の選び方

・コート紙: 表面にツヤがあり、写真が綺麗に発色します。飲食店のメニューや、料理のシズル感を伝えたい場合に最適です 。
・マットコート紙: ツヤを抑えた落ち着いた質感です。光の反射が少なく文字が読みやすいため、高級感を出したいカフェや、説明文が多い場合に適しています。
・上質紙: コピー用紙のような質感で、ペンで書き込みができます。アンケート付きのチラシや、お客様に記入してもらう用途に向いています。
・厚さ(kg数): 一般的なチラシは「90kg」という標準的な厚さがよく使われます。フライヤーとして手元に残してほしい場合は、少し厚手の「110kg」以上を選ぶと安っぽくなりません 。

13.チラシ・フライヤーデザインの外注相場と失敗しない依頼のコツ

どうしても自作する時間が取れない、あるいはブランドイメージを確立するためにプロのクオリティが必要な場合は、外注を検討しましょう。

1)チラシ・フライヤーデザインの外注相場

依頼先によって料金は大きく異なります 。当事務所の過去20年の経験と近年の原価高を踏まえてご案内します。
・フリーランス・個人デザイナー: 約2万円〜5万円程度
・ デザイン制作会社: 約5万円〜10万円以上(ヒアリングやマーケティング戦略から入る場合は高額になります)

注)「ココナラ」や「ランサーズ」「クラウドワークス」などのクラウドソーシングサイトを利用すると、比較的安価で多くのデザイナーからポートフォリオ(過去の実績)を見て選ぶことができます 。

2) 失敗しない依頼のコツ(要件定義)

「かっこいいデザインでお任せします」という丸投げは絶対にNGです。デザイナーはあなたのお店のビジネスの専門家ではありません。外注する際は、以下の「要件」を必ずテキストにまとめて伝えましょう。

・ターゲットは誰か(例:近隣に住む30代の共働き夫婦)

・目的は何か(例:LINEのお友達登録、新商品の認知、来店促進)

・一番伝えたい「顧客価値」は何か(例:休日の朝に、ちょっと贅沢なコーヒータイムを過ごせること)

・必ず入れてほしい情報(店舗情報、地図、ロゴ、写真、QRコードなど)

プロに依頼する場合でも、事前にお店や事業者側で「誰に・何を・どう伝えたいか」というマーケティングの根幹を整理しておくことが、集客に繋がる売れるチラシを作る最大の秘訣です。

14.チラシを届ける相手の見つけ方と手段

チラシを届ける相手(見込客候補)を見つけるには、下図のようなバブル図を用意すると良いでしょう。チラシは、ターゲットとする顧客層に届いて(手に取ってもらって)こそ、効果を発揮します。従って、作成したチラシは、どこにまけば(設置)すれば良いのかを徹底的に検討することが重要です。例えば、3から10歳の子を持つ親をターゲットに接触したければ、下図のようなバブル図になります。この事例は、支援先のベーカリー(パン屋)さんになりますが、「子を持つ保護者」をターゲットにした場合、これだけの出逢える場所(候補)が商圏内に存在することになります。

例えば、子供の習いごとの1つ少年サッカー部が、届ける相手の場合、直接出向き、チラシを監督等に手渡すというアプローチが最短だと判断します。地域の少年サッカー部の保護者をターゲットとしているのに、SNSで広告を打つとか、Instagramのハッシュタグで「どのようなタグを付けるか」といったことに悩んでいる間に、チラシさえあれば、接触可能でしょう。このようにチラシを届ける相手を見つけていくのです。

15.集客を成功させるチラシ・フライヤー作成のよくある質問(FAQ)

Q1. 「フライヤー」と「チラシ」は、どのように使い分けるのが正解ですか?
A1. 大きな違いは「配布方法」と「ターゲットの心理」にあります。
広域に大量配布して即効性を狙う(新聞折込やポスティングなど)なら「チラシ」、店頭で手に取ってもらったり、特定のイベントで手渡したりして世界観を伝えるなら「フライヤー」が適しています。
飲食店の場合、新規客獲得にはチラシ、リピーターへの新メニュー告知にはおしゃれなフライヤー、といった顧客との接点(タッチポイント)に応じた使い分けが、顧客価値を正しく伝える鍵となります。

Q2. 飲食店が「売れるチラシ」を作るための、マーケティング心理学的なコツはありますか?
A2. 重要なのは、「ワンキャッチ・ワンビジュアル」による視線誘導です。
心理学的に、人は情報の8割以上を視覚から得ています。左上に「顧客が抱える悩みや欲求に応えるキャッチコピー」を配置し、それに対応する「シズル感のある画像」を中央に置くことで、無意識に内容を理解させる(Zの法則)ことができます。また、限定感や希少性を伝えることで「今、行かなければならない理由」を心理的に創出することも有効です。

Q3. デザインをプロに外注する際、料金相場はどのくらいですか?
A3. 内容やサイズにもよりますが、一般的な相場は以下の通りです。

個人デザイナー・クラウドソーシング: 片面2万円〜5万円程度

制作会社・広告代理店: 片面5万円〜15万円以上

ただし、価格だけで選ぶのではなく、貴社の「存在価値」を理解し、共に価値を創り上げる(価値共創)姿勢があるかが重要です。記事内で紹介した「原案の作成」を事前に行うことで、外注コストを抑えつつ、意図に沿った高いクオリティのデザインを引き出すことが可能です。

Q4. デザインの知識がなくても、無料アプリでおしゃれなフライヤーは作れますか?
A4. はい、可能です。現在は「Canva」などの無料デザインアプリや、PowerPointのテンプレートが非常に充実しています。

「おしゃれ」にすること自体が目的ではなく、ターゲット顧客が「自分へのメッセージだ」と感じるデザインにすることが大切です。アプリのテンプレートをベースにしつつ、記事で解説した「売れるチラシの5要素」を当てはめるだけで、プロ並みの訴求力を持ったツールが自作できます。

Q5. 最近話題の「AI(人工知能)」をチラシ作りに活用する方法はありますか?
A5. AIは「キャッチコピーの量産」や「構成案の作成」に非常に役立ちます。

例えば、ChatGPTなどの生成AIに「30代女性がターゲットの、ヘルシーなテイクアウト弁当のキャッチコピーを10案出して」と依頼すれば、客観的な視点でのアイデアが得られます。AIを「思考のパートナー」として活用し、最終的に店主様の「想い(顧客への価値提供)」を乗せることで、より共感を生むチラシが完成します。

Q6. チラシを配っても反応が薄い場合、どこを見直すべきでしょうか?
A6. 「自分たちの売りたいもの」だけを伝えていないか、「顧客価値」の視点で見直してみてください。
お客様は商品そのものではなく、その先にある「体験(便利さ、楽しさ、美味しさ)」を求めています。チラシの表面で「お客様の課題や願望」に寄り添い、裏面で「信頼できる証拠(お客様の声や店主のこだわり)」を示すなど、構成を心理的ステップに合わせて再構築してみてください。また、QRコードを用いたSNSへの誘導など、お客様と繋がる仕組み(価値共創)ができているかも確認ポイントです。

16.【実践編】地域集客とデジタル活用を加速させるチラシ・フライヤーQ&A

Q7. チラシからGoogleマップやSNSへ誘導する際、失敗しない方法はありますか?(GEO対策)
A7. 単にQRコードを載せるだけでなく、「今、スマホで読み取るメリット(顧客価値)」を明示することが重要です。

例えば、「最新の混雑状況をGoogleマップで確認」「今月の限定メニューをInstagramでチェック」といった文言を添えます。これにより、チラシ(アナログ)からGoogleマップ(デジタル)への流入が増え、Google側からも「地域で注目されている店舗」と認識されやすくなり、GEO(ローカル検索順位)の向上に間接的に寄与します。

Q8. 食品メーカーが「新商品の認知」を広めるためのフライヤーで、最も重視すべきことは?
A8. 消費者がその商品を手にした時の「ベネフィット(便益)」を心理学的に訴求することです。

単なる「無添加」「国産」といったスペック情報だけでなく、「忙しい朝でも、3分で家族に笑顔の食卓を」といった、ターゲットのライフスタイルに寄り添った「存在価値」をキャッチコピーにします。また、シズル感のある写真と色彩心理を活用し、一目で「美味しそう(快楽)」という本能に訴えかける構成が不可欠です。

Q9. チラシの「表」と「裏」で、情報の役割はどう分けるべきですか?
A9. 心理学的な「購買意欲のステップ」に合わせて使い分けます。

表面(キャッチコピー・ビジュアル): 0.5秒で興味を引く「感情への訴求」。ワンキャッチ・ワンビジュアルを徹底し、顧客価値を伝えます。

裏面(詳細・メニュー・信頼): 興味を持った人を納得させる「論理への訴求」。成分表示、お客様の声、FAQ、地図など、安心感を与え、最終的な行動(来店や購入)を後押しする情報を載せます。
この役割分担が、「捨てられない、役に立つチラシ」としての価値を最大化します。

Q10. デザインの「トンマナ(トーン&マナー)」がバラバラだと、集客に影響しますか?
A10. はい、大きく影響します。お店の「存在価値」をブランドとして定着させるためには、一貫性が重要です。

高級感を売りにしているのに、チラシが安売りのスーパーのような派手な色使いだと、ターゲット顧客に正しく価値が伝わりません。ロゴ、フォント、色使いを統一することで、お客様の記憶に定着しやすくなり、「価値共創」の土台となる信頼関係が築けます。自作する場合でも、ベースとなる色や書体は固定することをお勧めします。

Q11. 予算を抑えるために、印刷枚数や配布エリアをどう決めるべきですか?
A11. 「狭いエリアで高頻度」がマーケティングの鉄則です。

広範囲に1回だけ配るよりも、徒歩圏内のターゲットに3回配る方が、心理学的な「単純接触効果(ザイアンス効果)」により好感度と信頼が高まります。まずは商圏を絞り込み、ABテスト(2種類のチラシで反応を見る)を繰り返しながら、お客様と一緒に「反応の良い内容」を育てていく(価値共創)プロセスが、結果的に最もコストパフォーマンスを高めます。

Q12. チラシに「お客様の顔写真」や「推薦の声」を載せる効果は?
A12. 非常に強力な「社会的証明」として機能します。

初めて利用するお客様の不安を取り除き、「ここなら安心だ」という確信を与えることができます。これは単なる販促テクニックではなく、既存のお客様との良好な関係性(価値共創の結果)を可視化することであり、新たな顧客への「存在価値≒顧客価値」の証明になります。アンケートの声を反映させる際は、特定のお悩みがどう解決したかを具体的に載せるのがコツです。

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久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

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