イタリア料理屋(イタリアン レストラン)の集客や販促の方法

 イタリア料理店(イタリアンレストラン)の集客や販促の方法について、コツを説明していきます。支援の現場で当事務所は、1次データを多用し改善方向を導いています。その傾向と、種々の2次データを踏まえ、解説したものになります。

支援先事例の1つはこちらでも御覧になれます

 なお、他の飲食店業態と類似性のある方法は、別の記事を参照いただき、ここでは、イタリア料理店(イタリアンレストラン)特有の方法について説明することとします。

 イタリアンレストランの集客や販促のコツは主に以下の15項目です。

1.集客しやすいイタリアン業態に近づける

2.店頭で目につくイタリア国旗の扱い

3.店頭にメニューブックを設置する誤解

4.グランドメニューは3類か4類構成

5.3類の主力メニューを開発する(決める)

6.食味リピートのコツはオリーブオイルと塩

7.メニューの名称は個性化する

8.他人に紹介されやすいメニュー(料理名)キャッチコピー

9.ショップカードの裏面をメニューのコダワリ紹介カードにして配布

10.配布物には地図情報を記載

11.Googleマイビジネス(ビジネスプロフィール)の運用は必須

12.長期的に有効なweb活用による集客の仕組づくり

13.店内空間の装飾やシズル演出のコツ

14.在来や自家採取農家と小規模漁師との協業

15.生産者のお話会

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1.集客しやすいイタリアン業態に近づける

 イタリア料理店には、いくつかの業態があります。主に、以下の分類がありますが、1番成功しやすい業態は、トラットリア、次いでオステリアです。私が代表を務める社団の調査事業でも明らかになっています。トラットリアだからと言って、コース料理を出してはいけないことはありませんし、トラットリアだからと言って、お酒を出してはいけないということではありません。集客や販促しやすいお店創りを、これらパターンで決めて頑なに実行するのではなく、商圏や地域の顧客層に合わせて、複合的に組み合わせるパターンが望ましいです。

リストランテ: ドレスコードを要求したり、コース料理を中心に展開する等、高級なイメージのイタリア料理店です。

トラットリア:リストランテよりもカジュアルで、一般的な日本の食堂のような感じです。料理も単品も充実しており、セットやコースも自由にメニュー化します。

オステリア:これは、お酒を楽しめるというのが特徴のイタリア料理店です。

バール:カフェ的な要素と組み合わせたイタリア料理店です。日本では、立ち飲み形式のイタリア料理店も含まれます。

 先に画像で紹介した支援先事例の場合、トラットリアを中心に据え、予約性のリストランテ用の個室を後ほど、小規模事業者持続化補助金で用意した造りになっています。

2.店頭で目につくイタリア国旗の扱い

 私が生まれる前から、なぜかイタリア料理店は、イタリア国旗を店頭の視認性を高めるために、活用しています。無論、誰もがイタリア料理店だとわかるので、それが最大の理由でしょう。またイタリア人の方が経営する場合、母国への愛という側面もあろうと思います。しかしながら、食のトレンドは日進月歩の中で、30歳台以下の年齢層を中心に、これがダサいとする方々が現れてきたことに驚きです。立地する商圏や顧客層毎には、逆に「集客を遠のけている」という2次データも種々あります。実際、支援先でも、この現象を確認しました。

 視認性をあげるために国旗を挙げているのであれば、他にも店頭の視認性をあげる方法は、看板設置に始まり種々あります。視認性をあげるデザインも、切りがないくらい検討可能なはずです。国旗である必要はありません。そのあたりも踏まえ、慎重な選択が必要です。

 とくに、日本人が経営するイタリア料理店であれば、自店は「どちらが集客増えるだろうか?」と考えてみることも一考です。考えたことも無かった方、1度、日々、設置している国旗を、バックヤードに引っ込めて、お客様の反応を御覧になってはいかがでしょうか。

 余談ですが、下記画像は支援先の店頭です。業態はオステリアになりますが、国旗を外した方が、集客や販促が圧倒的に機能するようになりました。居酒屋だと思い入店し、居酒屋の主力メニューがイタリア料理だと口込まれたからでしょう。この場合、居酒屋という業種の中で差別化が図られ、イタリアンという競争軸で戦っていないという結果になりました。

 トラットリアやオステリア志向の運営の事業者さんは、1度国旗を外して経営を1週間ほど続けてみてください。リストランテの方は、慎重に。逆に国旗は敷居を示す重要なツールとも言えます。

3.店頭にメニューブックを設置する誤解

 客単価が高いお店ほど、店頭にしっかりとメニューブックを設置されるお店が多いですね。どのような品揃えだろうか、お値段はどうだろう、といった心配がお客様にあるからです。このような設置は、リストランテという業態では有効です。

 ただし、トラットリア等、大衆をターゲットにする場合、逆に「価格が高そう・・」「かしこまりそう・・」等々、心理的なハードルをお客様に植え付けてさせてしまっているという2次データが多いことを御存知ですか。

 三脚の黒板等で、後述する主力メニューを紹介する程度で、とどめておくことが有効です。

4.グランドメニューは3類か4類構成

 グランドメニューを見直す際には、必ず3類になっているかをチェックです。3類とは、ピッツア、パスタ・スパゲッティ、サラダで、4類とは、これに単品の充実が入ります。お客様がメニューを見た際に、ピッツア、パスタ・スパゲッティ、サラダが視覚に飛び込んでくるグランドメニューであればOKです。

5.3類の主力メニューを開発する

 多くの御客様が注文するメニュー、つまり主力メニューが、先の3類に1つずつあればOKですが、無い場合、必ず、3類に各1つずつ、主力メニューを開発しましょう。

決め方は、オーナーや料理人が、1番おススメしたい料理を念頭に置くほか、多属性態度モデル活用で、日常の運営の中から、主力メニューや商品を論理的に決めていく方法もあります。

 ⇒多属性態度モデル活用による発掘法はこちらをクリック

 なお、ここで言うところの主力メニューとは、ピッツアの全体メニューのうち5割の売上に当たる1品、パスタ・ピッツアの全体メニューのうち5割の売上に当たる1品、サラダの全体メニューのうち5割の売上に当たる1品程度を指しています。今直ぐに困難でも、近い将来実現できるよう、取り組んでいきましょう。在庫管理も楽になりますよ。

(ピッツアの主力メニュー作りのポイント)

支援先の春菊ピッツア(春菊の香味が癖になります)

大きく3つになります。1つはチーズの量、2つは主力具材の量、3つは食材の特長です。

・チーズの量

 生地が薄く、パリパリとした食感を楽しめるクリスピータイプの場合、チーズの使用量が多い方が、人気メニューになりやすい傾向があります。ナポリタイプのように、ある程度の生地厚のある生地で、中はもちもちしたパンのような食感の場合、食味が重たくなるので、チーズは控えめが人気になる傾向が強いです。生地がパンのようなアメリカンタイプは、特に特長が見当たらない傾向があります。ただし、チーズの量を極端に多めにするか、極端に少なめにするかの配慮は必要なようで、中途半端だと、人気メニューになりにくい傾向があります。

・主力具材の量

 これは、生地の種類(クリスピータイプ、ナポリタイプ、アメリカンタイプ)にかかわらず、主力となる具材は、瞬間的に視覚に飛び込んでくるほど、量が多く見えた方が良いです。

 その際、食材原価率と比較しつつ、量を検討していくことになりますが、切り方の工夫で、量を多く見せることは可能です。例えば、椎茸を主力具材にする場合、横に切るか、まるまるのせてしまうかで、印象が写真のように異なるものです。要するに工夫次第ということです。

https://www.kobayashi-foods.co.jp/washoku-no-umami/how-to-cut-shiitake-mushroom

・食材の特長

 これは、仕入れ可能なところから考えずに仕入れれるのではなく、可能な限り「生産者が見える」取組が人気の秘訣です。無論、グランドメニューや店内POP等で、その生産者を紹介するようにすると、とても価値のあるピッツアのイメージ付けが叶います。

 仮に、生産者が紹介できなくても、せめて、地域を細分化して説明することで、同様な効果も期待できます。細分化とは、下記画像のように、神奈川県ではなく(県単位や市単位ではなく)、町、村単位で表現することです。

(パスタ・スパゲッティの主力メニュー作りのポイント)

大きく2つになります。1つは主力具材の視認性、2つは食材の特長です。

・主力具材の視認性

 ピッツアの場合は、具材の量が大切と説明しましたが、パスタ・スパゲッティの場合は、量よりも、視認性が重要な要素のようです。見た目に、その主力具材が、インパクト良く目に飛び込んでくるようなシズルを作るようにしましょう。

・食材の特長

 これは、ピッツア同様に考えてもらって結構です。

(サラダの主力メニュー作りのポイント)

 大きく4つになります。1つは主力具材に季節野菜の利用、2つは利用する野菜の種類は少なく、3つは食材の特長、4つは量感盛付け、です。

・主力具材は季節野菜の利用

 夏は水菜、小松菜、春や秋はパクチー、秋から初冬はカブや大根等、冬は春菊等々、季節の野菜を使うように、サラダメニューを構成しましょう。また香味が強い野菜の方が人気になる傾向があります。可能であれば、パクチーや春菊、生姜の葉、にんにくの芽等を主力に盛り込みましょう。

・利用する野菜の種類は少なく

 サラダをメニュー化する場合、多くの場合、多様な種類で、盛付けて構成することが多いですね。しかしながら、何か1種にコダワリ、その1種を際立たせるようにメニュー化した方が、主力メニューになる傾向があります。 多種ではなく、1種を盛り上げるための彩り程度に、種類を使うようにしましょう。

・食材の特長

 これは、ピッツアと同様の考え方です。

・量感盛付け

 如何にして量感で、お客様を魅了するかがポイントです。主力野菜を、ボリュームをつけて盛付けし、ほか野菜で彩りを考えましょう。無論、下記画像のように、1種を徹底的に量感することもOKです。写真は春菊サラダでニンニクチップをアクセントに、指し色にトマトを刻んだものです。

6.食味リピートのコツはオリーブオイルと塩

 イタリア料理店(イタリアンレストラン)は、多くの料理でオリーブオイルを使用します。このオイルが原因で、いわゆる「食味リピート」が下がってしまうということがあります。私が食事をする際も、多くの御店で、オイルが酸化してしまい、少々臭みがあったり、食味が重たくなってしまう現象に出会います。「また食べたい!」という、脳への働きかけが弱まわってしまうのが実態です。

 実際、酸化したオイルで調理したパスタと、フレッシュなオイルで調理したパスタとでは、「また来店したい!」といった回答に大きな影響度があることが種々の調査分析で明確なのです。オイルは、必ず冷暗で、かつ密封して、丁寧に保管しましょう。

 なお、オリーブオイルは、可能であれば、コールド製法(圧搾)のものを選びましょう。触媒で工業的に抽出したものに比べ、圧倒的な風味と食味が実現します。

 それから手を抜いてはいけないのが、塩です。精製塩は絶対やめたいところです。イタリアンのプロの皆さんなら、食味や風味の圧倒的な相違を御存知ですよね。手を抜かないようにして、食味リピートを増やしていきたいですね。

7.メニューの名称は個性化する

 3で紹介したように、3類毎にピッツア、パスタ・スパゲッティ、サラダの主力メニューを開発したら、その主力具材を明瞭に打ち出したメニュー名称にしましょう。例えば、支援先では、春菊パスタ、春菊ピッツア、春菊サラダとしています。

 例えば、ピッツアの場合、安易にマルゲリータ、ペスカトーレ、パルマ、といった具合に、グランドメニュー表に書いてしまいそうですね。あるいはパスタの場合、カルボナーラ、プッタネスカ、アラビアータ等。これでは、お客様の印象に、残るものも残らないことが、種々の2次データでわかっています。必ず、春菊ピッツア、春菊パスタのようにオリジナルを出すようにしましょう。なお、カッコ書きで、ピッツアの生地の種類や、パスタの種類(カッペリーニ、リングイネ等々)の分類を記載する等はOKです。

 なお、もっと踏み込めるのであれば、生産者名や生産地をメニュー名に組み込むのもOKです。「△△町の□□さんの春菊のピッツア」といった具合です。

8.他人に紹介されやすいメニュー(料理名)キャッチコピー

 先に紹介した3類の3つの主力商品は、あらゆる対外向けのマーケティングコミュニケーションで活用していきます。その際、必ず、お客様に口コミされやすいキャッチコピーを添えて仕掛けていきましょう。これは、チラシ配布、SNSの拡散など、全てに集客や販促策を行う媒体で、添える言葉です。

 通常、お店が集客や販促に成功している状況になるには、インターネットであれ、リアルであれ、何かしらの評判が、拡がりを見せる中で実現できます。その拡がりには、必ず誰かに紹介したくなるネタ仕込みが必要なのです。

「****だから、A店がおススメだよ!」という「****」の部分です。皆さんも経験があるかもしれませんが、その評判が、思った通りで無かったり、そもそも別の視点がおススメされていたり(自店としては、別の商品を売りにしていても)、といった状況は集客や販促にとって、足枷です。また、単に「A店 おススメだよ!」程度では、「機会があったら行くよ!」程度の会話止まりになるでしょう。従って、お客様に口コミしていただく際には、お客様に任せるのではなく、どういった評判を流布して欲しいのかを、事前に明確に決めておく必要があります。

 これが、私が常々、支援の現場で重視している「お客様にとっての存在価値」です。その主力メニューは「お客様にとって、どのような存在なのか」を自問自答することになります。この存在価値の決め方には、手法がありますので、以下の記事を確認ください。

 ⇒商品やサービスの存在価値とは

 例:沼津港で水揚げされた魚介類を楽しめるパスタは、A店だよ!

 例:●●さんの鎌倉野菜を使ったピッツアがおいしいお店だよ!

 例:●●産チーズと湘南シラスの絶妙なパリパリピッツアだよ!

9.ショップカードの裏面をメニューのコダワリ紹介カードにして配布

 紹介を誘発する紹介カードは、多くのイタリア料理店(イタリアンレストラン)で導入するところです。ですから、もう1歩、先に進み、次のことに「こだわって」みてください。集客に貢献できる販促策だと断言できますので。

・御財布の中に納まるサイズに

お財布の中に大事にしまってもらえるサイズを目指しましょう。具体的には、免許書や名刺サイズです。ヒトが肌身離さず大切にもっている財布の中を目指しましょう。

・誰を紹介してほしいかを明確に

 結果的に、誰かを紹介してください!というのが、これ迄の多くのイタリア料理店(イタリアンレストラン)でした。これからは、誰を紹介してほしいのか、明確に書くようにしましょう。そうすることで、紹介カードを渡された方が、紹介する心理的ハードルが下がるものです。気軽に誘いやすくなります。

 例えば、上記画像では「ご家族で御来店ください」としています。サラリーマンの方がご友人で利用された場合に、これを手渡すと、今度は御家族と来てみようと思ってくれる確率が高まります。単なる紹介カードの時と、このように「御家族」と書いている時とでは、リピートが全く変わります。無論、後者は、実感するほど効果的です。

・どのように紹介されたいのかを明確に記載

 先ほどの「他人に紹介されやすいお店のキャッチコピー」を添えて、紹介カードは作成します。紹介される内容をお客様にお任せするのではなく、お店の方でコントロールすることが有効です。

「あの店、おススメだよ!」と言われたら、そのうち機会があったら行ってみようかな・・程度です。それが、あの店「春菊のピッツアが、めちゃくちゃおススメだよ!」って言われると、印象に残りやすく、1度食べてみようかな・・という確率は高まるものです。このあたりのニュアンスにも意識を配って実施しましょう。

 上記画像の場合は、「春菊パリパリピッツアの食感がおススメだよ!」といった具合に、口込まれる内容が「個性化」することを意図しています。

10.配布物には地図情報を記載

 イタリアン料理店は、ラーメン屋さん、中華料理屋さん等々の大衆的なお店に比べ、業態的に、そもそも敷居が高い(心理的なハードルが高い)業態です。トラットリアはカジュアルで大衆向きですが、中華料理店や、食堂・レストランと比較した「種々の2次データ」では、やはり、気軽に行こうとは、なりにくい模様です。ただ、ブランドチェンジも少ないようで、1度、重い腰を上げて来店し、お店の雰囲気や食味等に納得すれば、わざわざ他のイタリアンも試してみようと、他店に足を運ぶのも億劫になるようです。

 従って、配布物には、アクセス手段がわかる情報を必ず載せましょう。駐車場や、提携駐車場がある場合は、特に必須です。Googleマップ等をQR表示したいところです。情報を見て、位置情報を入力することを手間だと思われれば、その場で、「やっぱり今回はやめておこう」という心理にもなりかねないからです。思い立ったら吉日になるよう、即時性を誘発できる工夫は、どんどん進めていきましょう。

11.Googleマイビジネス(ビジネスプロフィール)の運用は必須

 私も、出先で食事をする際、多用しているツールです。GPSの入っている携帯端末(スマートフォーン等)は、多くの方が身に着けています。このような方々が、イタリアンレストランを探す際、どのように検索するでしょうか。基本的には、食べたい料理そのもの、つまりピッツア、パスタ、といった具合に調べるのでは無いでしょうか。あるいはイタリアンと調べるでしょうか。つまり、このあたりを意識したビジネスプロフィールをテキストとして明示しておくことがポイントです。

 また、店内には、Googleマイビジネスを運用している旨を伝えるため、自店のプロフィールに遷移できるQRコード等を、メニュー表等に明記していても良いですね。評価やコメントが多いほど、検索した方が、安心して「お店」を選べるようになります。

12.長期的に有効なweb活用による集客の仕組づくり

 正直なところ、webでの集客の即効策は、私自身、見当たらないのが現状です。しかしながら、向こう1ケ月単位で確認していくと、それなりの効果を実感できます。特に、イタリア料理店は、インスタグラムやTwitter等を活用したいものです。日常、車で行き来する方、あるいは近郊の市町村に住む方等、徒歩圏内や自転車県内以外の御客様と出逢うことも夢ではありません。支援先では、Twitterの投稿のハッシュタグで、地元の市名を合わせて投稿することで、その市のグルメ情報にリツイートされる等、市内の他の地域の方や、近隣市町村からの来店が増えているのも事実です。可能な範囲で構わないので、ぜひ取り組んでいきましょう。それぞれの自社サイトが、どのような役割を担うのかを下図のように念頭に置くことで、場当たり的な取組にならないので、おススメしています。

 なお、Instagramは、10歳代~20歳代、Facebookは30歳台後半以降、Twitterは「より幅広い」印象です。来店して欲しい年齢層を意識し、使い分けしてみてください。ハッシュタグは、イタリアン、イタリア料理店、地名は必要です。しかしながら、経験上、料理の一般呼称も併せて投稿する方が、反応が良いですね。例えばピッツア、パスタ、スパゲッティ、サラダといった具合です。

13.店内空間の装飾やシズル演出のコツ

 店内は、木目調やレンガ等の石材でまとめると、客単価が向上する傾向がイタリアンにはあります。種々の1次データでも明確になってきました。本場イタリアの食堂をイメージしたシズルを心掛けましょう。ワインなどお酒は概ね、どの御店もメニュー化しているでしょうから、長居させるくらいの気概で装飾します。茶色や橙色、指し色に赤色あたりを多用すると良いですね。長居させつつ、食欲を喚起する色使いが重要です。色は、マーケティングにおいて、非常に重要な要素です。下記に参考記事がありますので、ぜひ活用ください。

 ⇒マーケティングにおける色の戦略的な選択

 指し色には、後述する在来や固定種野菜のドライを展示装飾すると良いです。イタリア料理店の料理で頻繁に登場する「唐辛子」や「トマト」などが良いでしょう。例えば唐辛子は下記画像のようなもので、当事務所の支援先でも多用しています。Webで「乾燥 唐辛子 枝付き」と調べていただければ、ネットショッピングできます。

https://item.rakuten.co.jp/flowershoptrancess/22221-000/

 それから、イタリアンレストランは、ピザ窯や、調理用オーブンが似合いますね。実際、これらがあるお店と無いお店では、再来店意向に大きな差があり、ある方が当然2倍超も意向が高くなるのです。持っていると、料理の種類が増えるだけでなく、店内シズルが向上します。機会があれば、ぜひ、導入も検討されてください。当事務所の支援先は、ピザ窯とオーブンは導入済です。それ自体が絵になりますよ。

清水製作所 煙が出ない薪オーブン
清水製作所 煙が出ない薪オーブンで焼いたピッツア
支援先のピザ窯

14.在来や自家採取農家と小規模漁師との協業

 本場イタリアは、在来種や固定種等が根強い文化です。つまり、農家は種をとって一人前という文化が醸成されています。また、本場イタリアの各店は、市場から野菜等の食材を仕入れません。ほぼ全て個別の生産者と繋がっています。これは魚介類でも同様です。ぜひ、地域や近郊で、懇意にする生産者を見つけていただき、必要な野菜の栽培をお願いしてみてはいかがでしょうか。

 日本では、この視点の取組は、まだまだ「大きな優位性」を持ちます。残念ながら、日本のイタリア料理店の殆どが、このあたりにコダワリが無いからです。つまり、飲食や食品業界の社会課題の1つ「生産と消費の分離」というものです。SDGs等、社会情勢は、生産と消費の分離は、解消方向です。

 当所が支援しているお店は、食材の8割は、直取引(生産者から)になっています。これは水産も同じです。漁師さんも直接取引可能ですから、気後れせず、ぜひ、地域や近郊の漁港を訪ねてみてくださいね。

15.生産者のお話会

 生産者との関係が構築出来た後、生産者を招いてのお話会等も、おススメです。お客様にとって、「そのあたりのイタリアンレストランとは大きな相違」として認識してくれるだけでなく、日常食べている個性化されたメニュー名の素性を知ることになり、主力メニューのピッツアやパスタ、サラダ等への愛着や、お店へのブランドロイヤリティが高まることが、1次データや種々の2次データでも明確です。下記、画像は支援先のオーナー右が、左の椎茸の生産者と、どのようなお話をお客様に聞いてもらい、どのような調理のコダワリがあるかを確認しあっている様子です。このような関係性こそ、まさに製版同盟と言われるものかもしれませんね。

==お知らせ==

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久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

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