食品パッケージ デザインの色の決め方在り方選択の方法とは

 食品パッケージの開発において、1番重要なことが、色を決めることです。つまり、色の3属性(色相、明度、彩度)の中の色相を決めることです。最初に結論から紹介しますと、その食品(商品)がお客様に伝えたいメッセージを決めて、そのメッセージを表現する色を採用して、パッケージのデザインを起案していくことがポイントです。つまり、以下の手順です。

・食品パッケージデザインの色(色相)の決め方(方法)とは(手順)

STEP① 消費者に伝えたいキーワードを出し尽くす

STEP② ①から2~3つのキーワードまで絞り込む

STEP③ キーワードを意識し色を選択する

STEP④ キーワードを意識した色を使いパッケージデザインの色調や色彩を決めていく

 種々の2次データや研究で、その伝えたいメッセージを具現化する心理的な色の見つけ方が整理されていますので、ぜひ、活用したいですね。

 以下に、食品パッケージの色(色相)を決める際、心理的なメッセージをどう解釈すれば良いのかを先に紹介し、その上で、事例を通じて、パッケージデザインを「どのように起案するば良いのか」について紹介していきます。

目次

・食品パッケージデザインの色(色相)の決め方(方法)
・食品パッケージで伝えたいメッセージを表現する色について
・食品の集客や販促に効果が大きい(売れる)4色について
(食品パッケージデザインの基本の4色とは)
(食品パッケージのマーケティングにおける4色の取り扱い)
・食品の集客や販促で効果の薄い(売れない)色と活用策
・ロングセラーに育てたい食品パッケージに活かしたい色
・食品パッケージに日本人の世代間の色の好みを踏まえること
(全体と世代間の傾向)
・日本人の地域間の色の好みを食品パッケージに活かすこと
・食品パッケージの流行色の取り入れ方の日本人の傾向を踏まえる
・食品パッケージデザインの色(色相)の決め方の事例

・食品パッケージで伝えたいメッセージを表現する色について

・食品の集客や販促に効果が大きい(売れる)4色について

(食品パッケージデザインの基本の4色とは)

 これまでの多くの2次データや研究で明らかになっているのが、集客や販促、大ヒット商品に必ず使われている色が存在することです。この色使いを念頭に置くことで、食品パッケージの色の基調を決めやすくなります。

 なお、4色とは、赤色、青色、黒色、白色を指し、下表のようになっています。

(食品パッケージのマーケティングにおける4色の取り扱い)

 中でも赤色と青色が、集客や販促には、大きな効果があります。しかしながら、赤色の方が印象付けや、目立つという意味で軍配があがります。

 従って、競合の食品(商品)等を意識し、まずは赤を獲得するという戦術が有効です。一般的には、赤を制するモノが優位なことが多いです。仮に競合が赤を先取しているようであれば、対色の青色を採用するといった工夫も有効です。青を基調にしつつ指し色で赤を使う等で対応できます。また自社内で主力にしたいものがあれば、そちらに赤を使うという選択も有効です。

≪参考画像(左 コカ・コーラ 右 ペプシコーラ)・各社webサイトより≫

・食品の集客や販促で効果の薄い(売れない)色と活用策

 これまでの多くの2次データや研究で明らかになっている「売れない色」というものもあります。集客や販促に苦戦する、ヒット商品になりにくい、と研究されているからです。この色使いを念頭に置くことで、食品パッケージデザインの色決めに役立たせることが可能です。 なお、この分類に入る色は2色で、緑色、黄色になります。

 しかしながら、使わない方が良いということではなく、緑色の持つ憩いや、安らぎ、ゆとり等のイメージをメッセージとして伝えたいといった主旨等、心理的に働きかけたい場合は、有効に活用できます。

・ロングセラーに育てたい食品パッケージに活かしたい色

 長く愛されるお店や商品の特長として、「飽きさせない」ということがあります。先に紹介した売れる色(赤色、青色、黒色、白色)は、工業製品が出回る前から、自然界に広く存在する色として、この効果も期待できると言われているのです。また、以下の3つの切り口も、ロングセラーに育てたい場合、有効とされています。

・食品パッケージに日本人の世代間の色の好みを踏まえること

(全体と世代間の傾向)

 日本人が好きな色というものもあります。経年で種々の2次データがありますが、概ね、青色、赤色、黄緑色の3色が、上位3位を構成します。また、世代毎に好きな色に特長があり、以下のことがわかっています。

・日本人の地域間の色の好みを食品パッケージに活かすこと

 地域によって、平均的な日照時間、湿度、気温、太陽光の色味等等々の気象条件が異なることから、地域間によって、色の好みがあるという研究や2次データが豊富です。これらの情報を整理すると、概ね下表のようです。参考にしてみるのは、いかがでしょうか。

・食品パッケージの流行色の取り入れ方の日本人の傾向を踏まえる

 カラーパーソナリティーという言葉があります。これは、流行色というものに触れた時に、どのような反応をするかを指します。大きく以下の3つの分類になります。また、日本と米国では「反応の違い」に大きな差があることに気付きます。この日本や米国の反応の違いは、私が種々の2次データを踏まえ、紹介した概算数字に過ぎませんが、傾向は表しているので、ぜひ、参考にしてください。

 以上のことから、日本人は、流行色に対して、保守的な反応が多いということがわかります。そのあたりを踏まえた、色の選択が必要です。

・食品パッケージデザインの色(色相)の決め方の事例

 地方の和菓子製造の事業者を事例に紹介します。

STEP① 消費者に伝えたいキーワードを出し尽くす

 栗を使った焼菓子のパッケージデザインを決めていきます。この商品は従来品よりも、より高級な栗を使い、更にはマーガリンでは無くバターを使うなど、食材にも最善のコダワリを見せた商品ということで、高価格の値付けをしたいとのことでした。

 そこで伝えたいメッセージは以下としました。

・高級感がある

・優雅なイメージ

・おいしそうなイメージ

・親近感のあるイメージ

・信頼感のあるイメージ

これらのイメージを具現化する色は、下表を参考にすると、ゴールド、水色、茶色、赤色、橙色、オレンジ色、深赤色等々、多岐に渡ります。

STEP② ①から2~3つのキーワードまで絞り込む

 STEP①では、候補の色が多すぎて、パッケージデザインの色調を選択するには、絞り切れません。そこで、伝えたいメッセージを以下の3つに絞ることとしました。

・高級感がある

・優雅なイメージ

・おいしそうなイメージ

STEP③ キーワードを意識し色を選択する

 STEP②で絞り込んだ伝えたいメッセージから、重複する色、網羅性のある色を選択していきます。先の表を御覧いただくと理解できる通り、茶色、ゴールドが当てはまります。

 そこで、この2色をベースにパッケージデザインを起案していくこととなります。

STEP④ キーワードを意識した色を使いパッケージデザインの色調や色彩を決めていく

 以上のステップを踏まえ、実際の起案されたデザインを紹介します。

 御覧いただくと何だか殺風景な感覚を持ちませんか?

そこで、これまで説明してきた色の持つ意味(心理的なイメージ)で、色調や色彩を調整していきます。ここでは、ロングセラーに育てていきたいという想いや、近畿地方を攻略していきたいというメッセージを意図し、橙色、オレンジ色あたりを指し色に使う方法で調整しました。以下のようです。

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久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

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