パン屋(ベーカリー)の集客や販促の方法

 パン屋(ベーカリー)さんの集客には、コツがあります。かれこれ10年で30件、継続的な顧問先としては2件、お手伝いを続けてきましたので、その経験を踏まえ、抑えておいて欲しいポイントを紹介していきます。

≪顧客にとって価値あるパンを決める≫

1 売りのパンの種類を決めること(この店ならこれ!)の決定

 今どきのパン屋(ベーカリー)さんは、ある程度、どの店も相応に美味しいものです。よっぽど人通りの多い路面に店があれば、「どれも美味しい!」で御店は成立しますが、いつでも好条件な立地だとは限りません。実際、私の支援先も、概ね、何故こんなところに創業(開業)したのだろうか、というお店が多いです。

 このように、辺鄙な立地にあるパン屋(ベーカリー)さんほど、絶対に抑えなければならないポイントが、売りのパンを決めること、育てていくことです。その売りのパンを決める方法は、大きく以下の3つのアプローチになります。難しくありませんので、ぜひ、取り組んでいきましょう。

・職人(店主)が1番おススメしたいパン種を選ぶ

 これが、長続きすること、将来にわたり育てていけること、1番大事な論点です。製造していて楽しい、たくさん食べてもらいたい、これを作るのは苦にならない、そんな想いの強いパンを1つ選択するようにしましょう。

 ここで欲張るのはダメです。あれもこれもでは、買う側の御客様も困ってしまいます。「うちのおススメはパリジャンです!」「うちは食パンがおススメです!」そのような状況を作り出せるようにしましょう。

・論理的に決める方法

 うちのパンは、どれをおススメすれば良いのだろうか。そのように迷われる方には、論理的なアプローチを紹介します。論理的と言っても、難しくはありませんので、頑張って取り組んでくださいね。詳細は、以下をクリックしてご覧ください。当所の別のブログ記事になります。

多属性態度モデル活用による主力メニューや商品の決め方(発掘法)

2 お客様が口コミする(他人に紹介する)言葉を決めるキャッチコピー)

 売りの商品が決まった後、単に販売していれば、あるいはSNS等で告知していれば、お店の集客は実現できるというわけではありません。

 通常、お店が集客に成功している状況になるには、webであれ(インターネットであれ)、リアルであれ、何かしらの評判が、拡がりを見せる中で実現できます。皆さんも経験があるかもしれませんが、その評判が、思った通りで無かったり、そもそも別の商品がおススメされていたり(自店としては、別の商品を売りにしていても)、といった具合です。

 ですから、お客様に口コミしていただく際には、お客様に任せるのではなく、どういった評判を流布して欲しいのかを、事前に明確に決めておく必要があります。

これが、私が常々、支援の現場で重視している「お客様にとっての存在価値」です。その売りの商品は「お客様にとって、どのような存在なのか」を自問自答することになります。

 この存在価値の決め方には、手法がありますので、以下の当所の記事を確認ください。

商品やサービスの存在価値とは

 例えば、パン屋(ベーカリー)さんではありませんが、支援先のマフィン専門店を紹介します。このお店では、Googleキーワードプランナーを使い、マフィン周辺で、どのようなワードが検索されているのかを確認していきました。

 CSVデータ等でダウンロードできますので、ダウンロードしていただいて、検索ボリュームの多いワードについて、実際に検索してみます。すると、このようなワードを検索した先の記事には、乳腺炎の罹患者や、糖質制限しなければならない方々の存在がわかり、この方々にとって、「無くてはならない存在」として、「乳腺炎や糖質制限者の方々にとって無くてはならないマフィン」としての価値付けを行ったのです。

 従って、お客様に口コミしてほしいキャッチコピーは、「乳腺炎の方なら、ここのマフィンだよ!」「糖質制限していても食べれるマフィンは、ここだよ!」といった具合に仕掛けていくことになります。

≪顧客にとって価値あるパンを知ってもらう:集客策と販促策≫

1.待たないで攻める行動(適切な集客策や販促策のツールを選ぶ)

 これは、決めた存在価値を共有できるお客様と、どこで出逢えるかを明確にすることからはじまります。その上で、それぞれのチャネルに、どのようなコミュニケーションツール(マーケティングツール)が適切かを検討していきます。

 例えば、サッカークラブに参加する保護者に、サッカーの試合等のお弁当や捕食に、自店のパンを活用していただきたいと思った場合、webサイトで告知したところで、届くものも届きませんよね?実際に足を運び、チラシを手渡しながら、説明した方が、需要開拓のアプローチとしては、適切かと判断します。

 このように、購買してほしい方に、積極的に働きかける意識をもつことで、集客は楽になるものです。支援先では、前日の17時までにご予約いただければ、翌日早朝に、お店で受け取れるサービスを行っています。結果、これらの保護者を顧客として抱えることに成功しています。

 待ち商売だからといって、待つのではなく、お店に来て欲しい顧客層を意識し、積極的に働きかけるようにすると、商売は好転することが多いので、ぜひお試しください。

2 食べごろ表示(情報発信)の徹底

多くの御店が、焼きたてPRに取組むところです。この取組は実施すべきですが、これだけでは不十分な時代になってしまいました。そこで、おススメする取組が、「食べごろ」表示や食べごろを意識したPRです。

 例えば、同じバケットでも、今直ぐ食べるように「焼きたて」、持ち帰り翌朝食べることを見据えた「翌日においしい」というPRといった具合です。無論、そのようなPRをする以上、その食べる時に最適な仕様になっていなければならないので、商品開発が伴いますが、効果は歴然なので、ぜひ、取り組んでみてくださいね。

3 ショップカードの裏面をコダワリ紹介カードにして配布

 紹介サービスを兼ねた紹介カードは、多くのパン屋(ベーカリー)が導入するところです。ですから、もう1歩、先に進み、次のことに「こだわって」みてください。集客に貢献できる販促策だと断言できますので。

・御財布の中に忍ばせれるサイズに

お財布の中に大事にしまってもらえるサイズを目指しましょう。具体的には、免許書や名刺サイズです。お財布は大事なものです。形見に持つのが通常です。1番大事にしているところに忍ばせてもらえれば、1番捨てられない確率が高まります。

・誰を紹介してほしいかを明確に

 誰かを紹介してください!というのが、これ迄の多くのパン屋(ベーカリー)でした。これからは、誰を紹介してほしいのか、明確に書くようにしましょう。そうすることで、紹介カードを渡された方が、紹介する心理的ハードルが下がるものです。気軽に誘いやすくなります。

例えば、下記画像では「御親戚を紹介してください」としています。何気なく、御親戚に手渡ししてくれるかもしれませんよ。誰かを!ではなく、より紹介率が増えますので、信じて取り組んでみてくださいね。

・どのように口込まれたいかを明確に記載

 「あのパン屋(ベーカリー)おいしいよ!」よりも「バケットおいしいのは、あそこだよ!」の方が、紹介された方は、動機付けされるものです。他のパン屋(ベーカリー)と明瞭に差別化できるよう、口コミの精度をあげれるよう努力し、紹介カードをブラッシュアップしていきましょう。

ブラッシュアップとは、次のように段階的に発展させることです。

「あのパン屋(ベーカリー)おいしいよ!」

≦「バケットおいしいのは、あそこだよ!」

≦「朝食で食べるバケットがおいしいのは、あそこだよ!」

・チラシを作成し配布する際のポイント

 原則的には、先の紹介カードと同様の論点です。あのパンも紹介したい、このパンを紹介したいということではなく、自店の存在価値を体現してくれる「売りのパン」を中心に訴求していきましょう。

 誰に来てほしいのか、何を食べてほしいのか、この2点は必須の記載項目です。なお、文字より画像。チラシが文章だらけにならないよう、留意してくださいね。

 その際、提携駐車場等があれば、アクセス方法QR表示もOKです(Googleマップ)。

・web活用による集客の仕組づくり

 正直なところ、webでの集客の即効策は見当たらないのが現状です。しかしながら、可能な限りで、インスタグラムやTwitter等、活用したいものです。日常、車で行き来する方、あるいは近郊の市町村に住む方等、徒歩圏内や自転車利用で店頭を往来する方以外の御客様と出逢うことも夢ではありません。

 支援先では、TwitterやInstagramの投稿のハッシュタグで、地元の市名を合わせて投稿することで、その市のグルメ情報にリツイート、シェアされる等、市内の他の地域の方や、近隣市町村からの来店が増えているのも事実です。可能な範囲で構わないので、ぜひ取り組んでいきましょう。

 それぞれの自社サイトが、どのような役割を担うのかを下図のように念頭に置くことで、場当たり的な取組にならないので、おススメしています。

==お知らせ==

 他にも、活用できる個別論点があります。下記クリック先で、種々の手法や方法論を紹介しています。

ぜひ、ご活用ください。

食品メーカー(加工食品製造業)や飲食業(飲食店)に実践し、成果を挙げている「集客や販促策」「販路開拓」「マーケティング」について、他の記事も併せて、御覧ください。

食品メーカー(加工食品製造業)や飲食業(飲食店)に実践し、成果を挙げている「商品開発」や「メニュー開発」について、他の記事も併せて御覧ください。

久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

売上を伸ばすことで
1)根本的な経営改善をしたい
2)資金繰りを改善したい
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そのようにお考えの方は、
是非、お気軽にお問い合わせください。

※メールは24h受け付けています。

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