小規模食品スーパーと大手や量販食品スーパーの野菜売場の品揃えと価格の設定法

個人や小規模な食品スーパーや食料品小売店の皆さん
野菜や果物を扱われている場合、どうですか?


御野菜や果物が売れ残ることは無いですか?
それも、特定の種類ものが多いとか?

その理由は、来店される御客様が、賢い方が多いこと!
これが理由かもしれませんよ。

実は、果物や青果売場で、売れ行きが芳しくない御野菜や果物には「1つの大きな品揃えの特徴」があるものです。
それは、「重量のバラツキ具合」です。
話をわかりやすくするために、青果はカボチャと仮定し、A店(大手や量販店)とB店(小規模や個人店)で比べたことにしましょう。

まずはグラフを見てもらいます。
A店:カボチャ売れ残りが少ないと感じている「重量と個数」の分布

大手や量販店は、仕入基準が明確で「いわゆる規格外」を取り扱いません。同じ値段で販売する根拠が欲しいので、サイズや見た目、重さ等をキッチリ揃えてきます。

つまり、量販店や大手食品スーパーでは、上図のような、販売個数と重量の関係があります。

次に、小規模や個人の食品スーパーや食料品小売店をB店として見ていきます
B店:カボチャ売れ残りが多いと感じている「重量と個数」の分布

規格外を帳合の問屋さんにつかまされることも多く、結果的に販売している個数と重さのバラツキは上図のようになります。

この違いがわかりますか?
つまり、A店(量販店や大手食品スーパー)のカボチャは、品揃えしている重量のバラツキが少なく、一定の重さの範囲に集中しています(上段グラフ)。

一方、B店(個人や小規模店)は、品揃えしている重量のバラツキが広く、手に持つたび、重さの違いが御客様にも伝わるくらい差があります(下段グラフ)。

この2つのグラフを重ねてみます。

重ねるとわかりやすいですね。
B店の方(緑の線グラフ:個人や小規模店)の山が低く、裾野が広いです。
つまり、一定の重さの範囲に品揃えが集中しておらず、バラツキが多いのです。

さて先ほど、来店される御客様が、賢い方が多いこと!
このように説明しました。

つまり、御客様の購買行動はA店(量販店や大手食品スーパー)、B店(個人や小規模店)では、このように差が出ます。

A店:カボチャ売れ残りが少ないと感じている「重量と個数」の分布

つまり、カボチャの重量のバラツキが少ないことを日常の買物で知っているので、特段、選り好みせず、購入してくれている。

B店:カボチャ売れ残りが多いと感じている「重量と個数」の分布

つまり、カボチャの重量のバラツキが多いことを日常の買物で知っているので、重量を手で持ち実感して感覚で測定し、重たいものから順に売れていく。軽いものが売れ残る。

御理解いただけましたか?
いわゆる野菜の品揃えは、重量の均等がカギですので、バラツキが少ない品揃えの方が、売れ残らないものなのです。

そのあたりを理解して、小規模や個人の食品スーパー(食料品小売店)の方々は、仕入れを工夫しなければなりません。

とは言え、大手食品スーパーや量販店のように、キッチリとした規格で仕入れが出来ないものも実情です。そこで、おススメしたいのが、道の駅の産地直売野菜の売場の手法です。

つまり、重量あたりの値段を決め、価格を設定すれば良いのです。

例えばグラムあたり0.5円なら、300グラムのカボチャは150円、600グラムのカボチャは300円といった具合です。

こうすることで、お客様の方で不公平感が無くなり、売れ残りを劇的に改善しながら、仕入れたものを着実に売り上げに(購買に)結び付けることが可能になります。

ぜひ、お試しください。

==お知らせ==

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久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

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