飲食店や菓子・食品製造事業者のカボチャを使ったメニュー開発や商品開発の留意点

秋に市場に出回る野菜のカボチャ。今回は、ここに着眼して紹介したいと思います。

多くの小規模や個人の飲食店では、「どうせカボチャでしょ?」と何となく、市場や最寄り小売店で仕入れ、調理して、御客様に提供しています。

これが、支援している中で、とても残念です。ぜひ、品種を意識し、その品種に適切な料理を心掛けていただくと、食したお客様の「風味」に対する事前期待を さらに超えていくことが可能になります。

まずカボチャは大きく2種類で捉えると良いです。2種類とは、日本カボチャ西洋カボチャです。

日本カボチャは写真のような神田小菊カボチャや、写真はありませんが、日向南瓜等々を指します。

(自然栽培のシンプルべジ提供)

また西洋カボチャは東京南瓜や、写真のような坊ちゃんかぼちゃ等です。

(自然栽培のシンプルべジ提供)

見た目は どちらも、カボチャの範疇を超えませんので、風味は同じものだと思われるでしょうが、まったく別者です。

西洋カボチャはいわゆるホクホクした甘みが特長ですので、お菓子の原料、天ぷらや煮物に向いています。

日本カボチャは、ホクホクした風味では無く、しゃりしゃりした食感で、甘みも薄く、何より水分が多いのが特長です。従って、お菓子の原料や天ぷらには不適切です。御菓子では、粘り気が出ず、生地を水気で緩めてしまい、成形も大変です。天ぷらも、何だか、ズッキーニや茄子のようになり、それなら、茄子などで充足できる風味です。煮物には、ホクホク感を期待するのではなく、大根のように捉えていただければ、「これは大根か?」と勘違いするような風味と食感です。お客様の反応も面白いですので、ぜひ、試してみてくださいね。煮ると大根のようですので、お味噌汁の具や、あんかけの具等にも適しています。

よく、カレーの具や、お鍋の具にカボチャが入っていて、カボチャ色にスープが染まってしまい、カボチャ風味の主張が大きいことがありますが、その主張を抑えたい場合は、日本カボチャを選択すると良いでしょう。

今回は大まかに、西洋と日本で分類しましたが、西洋カボチャの中にも日本ぽいのも存在したり、日本カボチャの中にも西洋ぽいのが存在したり、食べ比べてみると面白いですよ。

飲食店や食品加工業の皆様は プロです。せっかくなので、ぜひ品種までこだわってみいたいですね。

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久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

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