どの会社でも出来る食品機能性表示の方法(部分最適表示訴求法)

食品の機能性食品表示の方法について紹介します。

目次

1.機能性食品表示制度と背景
2.小規模と大手のヨーグルトを事例に機能性食品表示制度比べる
3.機能性食品表示の証明書類の準備の仕方
4.困ったときの部分最適表示法

1.機能性食品表示制度と背景

2015年にスタートした機能性表示食品制度は、健康効果を訴求することが「事業者の責任」で可能になり、表示できる制度です。

皆さんがよく買い物に行く食品スーパーやドラッグストアーの売場をご覧いただくと、大手を中心に、その制度を利用した飲料、加工食品、御菓子などが溢れています。

そんな中にあって、地方ではそこそこ頑張っているパン、納豆、牛乳、米菓、チョコレート菓子等々の種々の食品メーカーが、従来とおり、この機能性表示をしないパッケージで孤軍奮闘する姿、これが逆に目立つようになりました。

これは残念です。規模が小さいが故に、経営資源が乏しく、ただでさえ、価格訴求できない上に、品質(機能性含む)の判断が出来ない消費者から見れば、魅力が無いものに映ってしまいます。

例えば同じヨーグルトでも、大手等の機能性表示した方が、品質が良さそうに見えてしまいます。
ですから、まずは同質化まで こぎ着けたいところですね。

2.小規模と大手のヨーグルトを事例に機能性食品表示制度比べる

例えばヨーグルトで考えてみましょう。

大手であれ個人であれ小規模であれ、ちゃんとした製法のヨーグルトであれば、乳酸菌効果(例えば 腹の調子を整えます・・)は訴求できるはずです。しかしながら、小規模や個人の事業者は、現実、訴求が叶わず、「残念だなー・・」と思うことがあります。

実際、支援先の商品開発においても話題にあがることが多い論点です。

そもそもこの制度ですが、事業者が表示したい「健康効果」や「働き」を証明する届け出書類を、消費者庁に提出すれば良いだけです。

その際、課題になるのが証明する書類、つまり、臨床試験、成分文献調査、既存の学術論文の調査結果の収集です。逆に言うと、これらの届け出等が叶えば、健康効果等々を食品に表示し、PRすることができるのです。

3.機能性食品表示の証明書類の準備の仕方

さて、個人や小規模事業者の方は、この証明する書類を収集することが厄介なのですが、次のような方法で 取得できることが支援先で多いです。試してみてはいかがでしょうか?

■経営者自身が大学卒業者
 ご自身の母校に、生物、発酵、バイオ等々の学部があれば、直接相談してみる

■社員が居る場合
 社員の母校に、生物、発酵、バイオ等々の学部があれば、直接相談してみる

■個人の場合
 ご自身の母校や友人知人の母校に、生物、発酵、バイオ等々の学部があれば、直接相談してみる

実際、学生の卒業論文等に位置付けてもらうなど、実現することが多いです。ダメ元でトライしてみてはいかがでしょうか。

一方、以上のような手段のあてが現在無い、あるいはそれまでの間も、何かしらのPRがしたい!ということであれば、次のような取り組みをお薦めします。

4.困ったときの部分最適表示法

 3のステップが実現できないけど、何とか表示したいといった事業者は、以下の方法があることも知っておきましょう。

■部分最適を見つけ事実表示で対応する
事例で説明した方が早いので、支援先の事例で紹介します。

玄米で揚げたお菓子があります。

素材が玄米ですので、もちろん、カロリー、それから鉄分も豊富なわけです。
原材料は玄米、油、塩と至ってシンプルでした。

たとえば日本の推奨する栄養摂取量と、同社商品の位置づけを調べると次のことが言えます。

⇒お茶碗1杯のご飯のカロリーの1/2
⇒鉄分1日摂取目安の1/6

ご理解いただけますか?
つまり「1日の食生活の推奨栄養摂取量の中で、自社の商品が、どの程度の役割を担うのかを表記する方法」です。

消費者の目線で全体を俯瞰し、その上で自社の商品の最適な位置づけを探ることで、事実を上手に「健康視点」でPRできるのです。

無論、この手法では、届け出は不要です。問い合わせがあった際に、回答できるよう 社内にデータとして保管しておけばよいのです。

(そもそも新食品表示では 栄養成分表示は義務化の1つですから可能でしょう)

余談ですが、これは飲食店のメニュー表での表示でも同じことです。

==お知らせ==

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久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

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