差別化しているつもりでも、差別化できていない・・。
そのような事業者が多いです。
例えば支援先の鎌倉の古民家レストランでは、下図のように、消費者が来店する理由と、御店が強みとして(差別化要因として)掲げている理由が相違していました。
なぜ、そのようなことが起こるのか、以下に整理しましたので、確認してみましょう。以下の論点の整理が出来た上での差別化であれば、上図のような差異は解消されることでしょう。本当の意味で「差別化」できていないと「集客」や「販促」は機能しなくなってしまいます
★何のために差別化するのか?
競合の商品やサービスに対して差異を設けることで、競争上の優位性を確保するため
★飲食店における差別化の方策は主に3つある
1)商品・サービスそのもので差別化する
(例 同じ料理ならより高品質)
2)提供方法・付帯サービスで差別化する
(例 同じ料理をより早く提供(スピード))
3)顧客対応力で差別化する
(例 受け応えが丁寧)
★どういう差別化でなければならないのか?
ターゲット(お客様)にとって魅かれる要因で差別化しなければならない
★差別化の苦悩
ターゲット(お客様)に魅かれるように差別化要因を見出したつもりでいても、お客様(ターゲット)にとって魅力あるものになっているとは限らない・魅力あるものになっている保証も無い
久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)
加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。
講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。
2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。
近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。
主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。