相乗積を使い戦略的に新商品開発や販促策を起案する方法

支援先の小規模菓子製造業の支援の現場で実際にあった事例を使い、
新商品や販促を起案するアプローチについて説明したいと思います。

使うのは相乗積です。
相乗積そのものの説明は、過去の当方のブログ記事を参照いただくなど、お願いします。

さて、少々数字は変えましたが、
支援先の菓子製造業の年間の売上、利益周辺の数字を整理すると、当初、下表のようでした。

(図1)

今回はこれを使って説明していきます。

ステップ① 販促は「どの商品やサービス」を強化すべきか知る

 様々なアプローチや考えはありますが、経営的には、自社の収益性や売上の伸長率を「近未来に向けてどうしたいのか?」
ここを、まずは考えるようにしましょう。
 例えば、収益性に着眼して、利益率を20%超を経営改善の目標とする場合は、相乗積の数字が大きいものに着眼すると、概ね良い着眼点になることを理解してください。
 この視点で、上表を確認すると、商品Cや商品Fの相乗積が1位2位を争う高さです。従って、この2つのいずれか、あるいは両方の販促を強化すれば良いことになります。
 今回は、商品Fを強化することとしました。仮に、販促の目標の売上を「900万円」増額としたならば、下表のようにシミュレーションできます。

(図2)

 結果、販促の目標で掲げた利益率20%超を達成できることになります。

 以上のように、販促を起案する場合、対象とする商品やサービスのいずれを選ぶかが重要で、その際は、相乗積の高いものに着眼して、取り組めば良いことが理解いただけると思います。

ステップ② 新商品や新サービスは「どのようなときに必要か」を知る

 さて、仮に、目標の収益性が、40%超を設定したとしましょう。その場合、図1の各商品には、そのような収益性が確保できているものが無いことに気づきます。最大でも、商品Fの32%でしょう。つまり、相乗積の高い商品Fを販促で強化したところで、所詮、40%超という目標には届かないのです。

 相乗積視点から、新商品開発の必要性を検討する際には、ここが重要です。要するに、現在の商品やサービスでは、目標の収益性や売上伸長率等を実現できないときに、新商品や新サービスの開発が必要になることを知りましょう。
 例えば下表の事例では、売上350万円(粗利48%)を目標とする商品を開発することとしたのです。これが実現できれば、経営上の目標である40%超の実現が叶います。

(図3)

最後に・・
 いかがでしょうか。販促や集客策、新商品開発や新サービス開発というものは、可能な限り、戦略的でなければなりません。何のための販促なのか、何のために開発が必要なのか?このあたりを事前に検討しておくことがポイントです。

 また、今回は菓子製造業の実例を踏まえて、説明していますが、これは飲食や外食業でも同じことです。この商品がメニューに変わるだけですね。種々のサービス業においては(例えば、美容室など)、この表の商品が、サービス名に変わるだけです。

 いずれにしても、商品やサービス毎、あるいは商品群やサービス群毎に、適切な原価管理が、求められる・・とも言えますね。

久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

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