新商品や新メニュー開発が必要か否かの判断基準について

売上を高めようと、本腰を入れる矢先、必ず、この論点が登場します。

「新商品を開発しよう!」
「新メニューを開発しよう!」

意気込みはOKなのですが、そもそも、それだけが売上向上策では無いことを、今一度、確認しておきましょう。

その上で、そもそも新商品や、新メニュー開発が必要、不要、どのように判断すれば良いのでしょうか。以下に、その論点を紹介します。

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1.商品開発のメリット/デメリット

そもそも、商品開発はなぜ必要なのでしょうか。ここを検討することが、はじめの第一歩と言えるでしょう。以下に紹介するメリットやデメリットを確認しておくと、理解が深まります。

⇒商品開発の一連の過程で、自らの事業を見つめ直すことが可能であり、自社の存在価値が理解できる。
⇒近未来の「稼ぎ頭」を生み出す可能性がある。

⇒生み出した商品がヒットするとは限らないため、商品開発に費やした時間や資金がムダになる可能性がある。
⇒既存事業のイメージと逸脱する商品が開発された場合、稀に既存事業の「良いイメージ」が毀損する可能性がある。
⇒新商品を拡販するにあたって、相応の販売促進費が必要になる。

2.商品開発を「実施すべき事業者と実施すべきでない事業者」

国内外の多くの2次データや論文では、「新商品を多く生み出しても(イノベーションの数が多くても)、経営の成功につながらない」という事実が、あきらかになっています。

例えば アメリカの20400社を母集団に調査した名著『ビジョナリー・カンパニー4』など。

つまり、積極的に新商品開発をしなくても、売上を高めていくことは可能、あるいは経営は、成功できる!ということですね。

既存事業や既存品の売れ行きが悪い場合、新商品開発で苦難を乗り切ろうとする事業者が多いですが、既存事業や既存品の見直しで成功できることも念頭に、新商品開発の是非を吟味することも大切です。
もっと言いますと、既存品の見直しの方が、売上を高めることに直結しやすいとも言えます。

既存事業や既存品の見直しとは、例えば、「今とは異なる販促内容や販促手段を用意し売る」ということです。

同じ商品を、売り方だけ変えて、ひたすら売る。これが利益率が高い事業のKEY(カギ)と言えます。

あなたの事業にとって、新商品開発が「いま!」あるいは「未来に?」必要なのかを念入りに見つめ直すことが大切です。見つめ直すことができる事業者が、実施すべき事業者になります。

3.新商品や新メニュー開発が必要か否かの区分

⇒新商品開発が必要な事業者
既存のお客様等から「このような商品(サービス)を作ってほしい」「このような商品(サービス)があったらうれしい」といった確かなニーズが認識できる場合

⇒新商品開発が不要な事業者
既存のお客様から「このような商品(サービス)を作ってほしい」「このような商品(サービス)があったらうれしい」といった確かなニーズが存在しない場合。あるいは、既存の商品(サービス)が「もっとこうなるとうれしい」といった改善や改良のニーズがある場合

久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

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