【初心者向け】食品一括表示の書き方ガイド|原材料表示や添加物表示のルールと手順

食品パッケージの裏面の一括表示の事例

はじめに:原材料や食品添加物表示はお客様との最大の約束

飲食店の現場で「うちの人気のカレーライスのカレールウを、レトルトとして販売していきたい!」

あるいは、小規模事業者が食料品製造業に参入するために、初めて商品開発をしている現場で「原材料表示は、どういうふうに表記すれば良いですか?」

このような質問が多いです。

そこで、今回は、商品開発のパッケージデザインの裏面で課題になる裏面表示のルールなど、細やかに解説していきます。

備考)この記事では、原材料表示の説明に終始しますので、ほか商品開発や物販にかかわる手順や方法、テクニックなどについては、以下の記事を参考にしてください。

・食品の「新」商品開発や「新」メニュー開発の実務手順・成功法則|企画書・フレームワーク・アンケート活用・OEMまで|小規模な飲食・食料品製造業向け
・食品パッケージデザイン「色」の決め方!売れる色彩心理・配色比率・タブーを解説
・売れる!加工食品・お菓子のパッケージデザインの作り方・作成方法と相場|おしゃれな成功事例も
・【保存版】売れる商品名の付け方|飲食店・食品メーカーのネーミング成功法則を心理学・顧客価値・法的リスク・相場感から徹底解説
・飲食店が「物販」を始めるための全知識|営業許可の境界線と必要な手続きを支援実績から詳しく解説

第1章:食品の裏面表示(一括表示)とは

食品表示法に基づき、パッケージの裏面や側面(場合に寄っては底面)に、原材料、内容量、期限(賞味期限、消費期限)、保存方法、製造者情報などを枠内にまとめて記載した表示のことです。消費者が安全に商品を選択するための重要事項が記載された、法的な表示義務のあるラベルです。

消費期限や賞味期限については、以下の記事で詳しく説明していますので、参考にしてください。
・【食品・飲食店向け】賞味期限と消費期限の設定方法・ルールと検査機関への依頼手順

第2章: 記載すべき情報と基本ルール

食品の裏面には、中身に何が使われているかを正確に記載する義務があります。ここでは大きく3つの基本ルールを押さえておきましょう。

1)重量順の記載ルール

原材料は、使用した重量の多い順(重い順)に記載するのが大原則です。一番多く使われているお肉や野菜などが最初にきて、調味料などが後ろに続きます。

2)原材料と添加物の明確な区分

原材料(食品そのもの)と添加物(保存料、着色料など)は、消費者がパッと見て区別できるように明確に分ける必要があります。一般的には、原材料名を重量順に書いた後、「/(スラッシュ)」で区切り、その後に添加物を重量順に記載するというルールが広く使われています。改行して別項目として分けることも可能です。

3)アレルギー物質の表示

指定されたアレルギー物質(義務表示と推奨表示があります)が含まれている場合は、必ず記載しなければなりません。冒頭の「食品パッケージの裏面の一括表示の事例」の画像にあるように、「(一部に小麦・大豆・豚肉・ごまを含む)」といった形で原材料名の最後にまとめて記載されています。

4)一括表示の記載イメージ

①冷凍食品の事例で

食品の裏面表示(一括表示枠)の構成を、さらに詳しく示すと以下になります。冒頭の「食品パッケージの裏面の一括表示の事例」の画像と合わせて確認ください。一般的には、四角い枠線で囲まれた中に記載されます。

【一括表示の記載イメージ(冷凍食品の例)】

・名称:〇〇(例:冷凍〇〇惣菜)
・原材料名:〇〇肉(国産)、野菜(〇〇、〇〇)、〇〇/調味料(アミノ酸等)、着色料(〇〇)、(一部に小麦・大豆・豚肉・ごまを含む)
・内容量:〇〇g
・賞味期限:枠外下部に記載
・保存方法:-18℃以下で保存してください
・凍結前加熱の有無:加熱してありません
・加熱調理の必要性:中心部まで十分に加熱してください
・製造者:株式会社〇〇 東京都〇〇区〇〇1-2-3  TEL: 000-000-0000(平日○時~○時)

②一括表示のポイントの解説

・アレルギーの視覚的強調

原材料名の最後に記載されている「(一部に小麦・大豆・豚肉・ごまを含む)」という部分です。このカッコ内の文字だけを太字(ボールド)にすることで、パッと見て判断できるようにしています。

・冷凍食品の場合は必須項目の配置

「保存方法」のすぐ下、「製造者」のすぐ上のスペースに、冷凍食品の必須項目である「凍結前加熱の有無」と「加熱調理の必要性」の2行を追加します。消費者にとって「どう保存して、どう食べるか」という自然な流れで読める配置です。冷凍食品以外は不要です。

お客様相談窓口の明記

枠内の最後となる「製造者」のすぐ下に、電話番号と受付時間を配置しています。小規模事業者は忘れがちな視点なので留意しましょう。とにかく連絡を取れる情報を明記しておくことが重要です。

法律で定められた項目を上から順に埋めつつ、最後にお客様への配慮(アレルギーの強調や、問い合わせ先)を整える形になります。

第3章:表示を作成するための具体的な手順

実際に一括表示ラベルを作成する際は、以下のような手順で進めます。

1)レシピと配合量の確認

使用しているすべての食材、調味料、添加物を洗い出し、それぞれの重量(gやkgなど)を正確に計算します。

2)分類と並び替え

洗い出したものを「原材料」と「添加物」に分け、それぞれを重量の多い順に並べ替えます。

3)アレルギー物質の特定

原料メーカーから取り寄せた規格書などを確認し、含まれているアレルギー物質を正確に把握します

4)表示案の作成

重量順に並べた原材料名の後に「/」を入れ、添加物を記載します。最後にアレルギー情報をカッコ書きで追記します。

5)デザインと視認性の調整

必須情報をただ文字で並べるだけでなく、資料にあるようにアレルギー部分にハイライトを引いたり、冷凍食品の必須項目を読みやすい位置に配置したりと、消費者の目線に立ったレイアウトを行います。

第4章:知っておきたい「一括表示」作成の実務的なコツ

1)「期限」と「保存方法」は必ずセットで表示する

賞味期限や消費期限は、あくまで「表示された保存方法を守った場合」の期限です。そのため、「直射日光を避け、常温で保存」といった保存方法とセットで記載するのがルールです。もし、開封後に保存方法が変わる場合(例:開封後は要冷蔵)は、その旨も併記するとお客様にとってより親切で安全な表示になります。

2)文字の大きさ(フォントサイズ)には決まりがある

食品表示法では、一括表示の文字の大きさは原則として「8ポイント以上」と定められています(表示可能面積がおおむね150平方センチメートル以下の場合は5.5ポイント以上)。デザイン性を重視して文字を小さくしすぎると、法令違反となってしまうため注意が必要です。

3)日付の「枠外記載」を活用してミスを防ぐ

一括表示の枠内に日付を直接印刷すると、毎日ラベルの版を変える必要があり、印字ミスのリスクが高まります。実務でよく使われるのは、枠内には「枠外下部に記載」や「ラベル下部に記載」と書き、別売りのラベルプリンターやスタンプで日付だけを印字する手法です。これにより、一括表示ラベルの在庫を無駄にせず、正確な日付管理が可能になります。

初稿 2026年4月1日

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久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

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