さくらんぼ分割法による食品や飲食の新商品や新メニュー開発・集客・販促・イベントのアイデア発想法と手順

「集客や販促のアイデアが浮かばないです。どうしたら良いですか?」
「新商品アイデアが浮かびません。困りました。どうしたら良いですか?」

そのようなときに役立つ方法の1つが「さくらんぼ分割法」というアプローチです。

1.さくらんぼ分割法とは

さくらんぼ分割法(さくらんぼ法)とは、一つの課題を「さくらんぼ」の枝のように2つの属性(要素)に強制的に分割し、それぞれをさらに深掘り・細分化していくことで、斬新なアイデアを生み出す発想法です。新商品やメニュー開発のアイデア出しで、要素を組み合わせて意外な発想を促すのに適しています。
⇒次の記事より引用しています「食品の商品開発の実務手順・成功法則|プロセス・企画書・フレームワーク・アンケート活用・OEMまで|小規模な飲食・食料品製造業向け」の「第5章:筆者がおススメする「新」商品アイデアの発想方法」

2.さくらんぼ分割法でアイデアを出す手順を見ていきましょう

具体的に「菓子パン」を事例に、説明していくこととしますね。設定としては、菓子パンの新商品アイデアを捻出することと、しましょう。

ステップ① 課題を2つに分けるように文章化する

例えば菓子パンの場合は、「お菓子のように食べれるパン」とすると良いでしょう。

ステップ② 文章を2つの属性に分ける

「お菓子のように食べれるパン」は、菓子とパンに分けれます。

ステップ③ 2つの属性を更に分割して深堀する

例えばお菓子は、「食事以外に食べる嗜好(しこう)本位の食べ物」と文章化できます。また、パンは、「小麦粉を主原料としたものを、水でこねて発酵させ焼いたもの」と文章化できます。従って、下表のようになるでしょう。

※さくらんぼ分割法の名前の由来は、上表のような枝葉のイメージから

上記のように文章化をして、分解するわけですが、そこは厳密さを問いませんので、思いついたことを書きだすようにします。仮に難しければ、辞書を引くなどすれば、容易に得られます。例えば「お菓子」と辞書を引くのです。

㊟余談ですが、この属性に分ける作業には、網羅性を求めていません。結果的に表出したもので充分です。いわゆる属性列挙法や形態分析法と異なり、一通り網羅しなければならないというプレッシャーが無い点が、小規模事業者の方が扱い易い論点なのです。

ステップ④ 末端の種々の属性を無作為に混ぜて解釈する

ここは正解はありませんので、一番右の属性を、好きなように組み合わせて「こんな菓子パン」があったらどうだろう?的な発想で、どんどん書き出していってみましょう。

 例:甘い紅茶風味のビスケット(パン)

組み合わせによっては、到底不可能といった組み合わせもあろうと思いますが、あくまで新商品や新メニューネタを探索することが目的ですので、そのあたりを気にする必要はありません。

私の事務所の支援先でも、この組み合わせて、相応に売れる奇抜なアイデアを発想し、それを利用して、売れる商品やメニューを産み出すことに成功しています。ぜひ、お試しください。

3.より実践的な「さくらんぼ分割法」によるアイデアの出し方

前項の菓子パンの事例を読んで、結構大変な作業だと思われた方もいるのでは無いでしょうか。実際の支援先の現場であった「あんぱん」の事例を使い、もっと簡易的に実施できるようなイメージを持っていただきたいと思います。そう、気軽に使えるものなのです。

1)【実践】人気の「あんぱん」をさくらんぼ分割法で分解してみる

菓子パンの定番の「あんぱん」を、思い付きの要素で分割してみましょう。

生地: ふわふわ、しっとり、フランスパン生地、デニッシュ

中身: 粒あん、こしあん、季節の餡、クリームとのダブル

形: 丸型、四角、ねじり、ミニサイズ

トッピング: ゴマ、桜の塩漬け、アイシング、くるみ

2)分解した要素を「入れ替える」だけで新メニューが完成!

分割したら、どこか一箇所だけを「ありえない要素」に変えてみます。そう、「ありえない!」というところが肝です。

中身を「粒あん」から「超濃厚なピスタチオ餡」に変える。

形を「丸」から「キューブ型」に変えて、中身をたっぷり詰める。

ゼロから新しいパンを作るのは大変ですが、こうして「一部を入れ替える」だけなら、誰でもすぐに10個以上のアイデアが出せるはずです。

そう、さくらんぼ分割法は、末が枝葉になるようにすることから言われる呼び名ですが、エッセンスだけを利用すれば、実務でも使いやすいことがわかっています。ぜひ、チャレンジしてみましょう。

4.他にもあるアイデア発想法

他にも実務で使えるアイデア発想法があります。以下の記事がおススメです。

⇒「エクスカーション法による食品や飲食の新商品や新メニュー開発・集客・販促・イベントのアイデア発想法と手順」

初稿:2017年3月11日、加筆修正:2026年3月6日

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久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

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