加工食品/飲食メニュー商品開発の方針の決め方

過去の記事では、加工食品や飲食メニュー、農作物そのものの栽培時の商品開発の進め方(ステップ、段階)を紹介したことがあります。

しかしながら、そもそも、商品開発をはじめるにあたって、どのような方向性で、どのようなことに留意して進めれば良いか、つまり方針の決定の部分については、紹介したことが無いような気がします。

ですから今回は、商品開発における方針の決め方について紹介します。無論、アプローチはいくつもありますので、今回は、その中の1つの事例ということになります。

今回紹介するのは「商品開発における完成度指針によるアプローチ」です。具体的には、下図のようなものです。ここではゼリーの場合を紹介しています。

これは、種々のSNSや口コミサイトに消費者が記載している「悪口」をまとめたものです。例えばゼリーの悪口は、食感、風味、機能性、サプリ・栄養、食事代替、特定好み、色・彩り(具材充実度)の7点に集中していることがわかります。

根気よく、悪口の論点を整理し、カウントしていけば、この7点に集約できるのです。これは2021年5月末時点の直近の3ケ月の実態です。

上図の右側の表は、この7つの論点で、どのような悪口が書かれていたか?を整理したものになります。

例えば特定好みでは「みかん好きだけど、みかんそのものの量が少ない」具材充実度では「みかんの量が少ない」

このような悪口を書いているということになります。

さて、ここからがポイントなのですが、悪口というものは、消費者の改善してほしい要望そのものです。つまり、「みかんの量が多い」と満足する、評価する、そのような関係性があるのです。

言い換えますと、完成度指針と言われる上図の左側の7角形は、ゼリーに対する消費者の改善要望の期待値を表したものなのです。

上図には、具体的な商品名があり、5段階でプロットされた状況を確認できることでしょう。これは、消費者が悪口を言った数を減点法にて、5段階にプロットしたものであり、「蒟蒻畑】はサプリ・栄養面、機能性が特に評価が高い論点となります。「たらみどっさり」の場合は、全体的にバランスの良い評価になっています。

さて、小規模事業者がゼリーで新商品を投入する際、あるいは既存のゼリーの改善を図る場合は、この7論点(7角形)のうち、数点が、既存に出回っている商品の評価を超えてこなければ、消費者の満足を高めることが難しい、そのように活用していけば良いのです。

例えば「たらみどっさり」をベンチマークとした場合、食事代替、特定好み、色・彩り(具材充実度)だけは上回るように商品を開発しよう!改善しよう!このように考えると良いでしょう。

このように、どうすれば既存商品を上回る消費者満足度に繋がるかを意識した商品開発の方向性を決めていけるのが「完成度指針によるアプローチ」と言われるもので、私の支援現場でも、非常に大きな成果(ヒット商品等)を挙げているものです。

久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

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