飲食店が健康に配慮したメニュー開発を取り入れる際の基本的な思考と手順について

今回は免罪符開発という手法で、健康に配慮したメニュー(料理)を飲食店が開発する方法と簡易な手順を紹介します。

免罪符開発とは、「食における健康な食生活を送りたい」(普遍的顧客心理)という心情を踏まえ、その罪悪感を解消してあげようとする商品化手法です。

たとえば、大手の吉野家。牛丼を食する際、テーブルの傍には刻み紅ショウガが目につきます。これをたらふく、上乗せして食する成人男性の光景がまさにそれです。肉ばかりだから、「せめて生姜だけでも(野菜と摂取しないと)・・」、そのような気持ちを(動機)を商品化やメニュー化に活かす方法です。

先に事例を紹介します。八王子市にある「ことり亭」です。

↓ 味噌のオムハヤシ

このメニューが何故、免罪符なのかは最後に紹介します。それでは免罪符開発の手順は次の通りです。

1 その属するカテゴリー(イタリアン、洋食、フレンチ等)における健康影響課題を整理する

 例)高カロリー、高塩分、脂っこい、こってり、栄養成分の偏り等

2 その健康影響課題を改善する可能性のある食材を決定する

 例)豆腐、しょうゆ、御酢、みりん、味噌、納豆等

3 既存メニューに、その食材をコラボさせ、食味や風味・シズルといった側面で商品化を探る

事例の『ことり亭』の場合、以下になります。

1 洋食屋(高カロリー、脂っこい、こってり、栄養成分の偏り等)
2 食材(和食で登場する味噌)
3 同店ではカレーやデミグラスソースに味噌を多用しメニュー化

このような取り組みの結果、味噌洋食というイメージを醸成していくことが叶います。

ポイントを最後に整理します。免罪符を何にするのか、この事例の場合、味噌としています。和食食材は日本人の健康増進に役立つものとイメージが世間に定着しています。これを如何にして従前のメニューに反映するかがコツになります。

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久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

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