支援先で「地域ブランド」って「どのように構築していくものなのですか?」との質問があり、
その際に 回答した内容から一部、紹介したいと思います。
いろいろなアプローチがありますが、私は、よく引き合いに出される「ブランドの4機能」を大事に支援するようにしています。
念のため4機能の確認ですが、以下になります。
・出所表示機能
・品質表示機能
・宣伝広告機能
・資産価値機能
私が「この中で1番重要視している」ことを紹介します。それは、資産価値機能です。これを説明するのは非常に難しいのですが、地域ブランドの構築の視点で端的に説明すると以下のようになります。
「その群を構成する商品やサービスの基準があるもの」
言い換えると「その基準を満たしているものが、地域ブランドとしての資産価値を持っている商品やサービスである」ということです。
例えば、神奈川県の伊勢原市の大山に、古くから伝わる「大山コマ」というものがあります。
その地域の「コマ参道」と言われる通りに、以下のような説明が掲示されています。
↑ここには、事細かに基準が書かれています。
・材料は大山のミズキを用いること
・芯はモミジやカシ材で、後から差し込むこと
・芯が上に突き抜けないように、心棒は上が細く、中が太いこと。
・形は全体が丸みを帯びていること
・色は、白木に紅、藍、紫で塗り分けること
御覧いただくと理解できる通り、
→作り方(製法)
→材料
→形状
→色味
この論点が、事細かに明示されています。つまり「この基準があるものが、所与のブランド価値がるもの」、言い換えますと「資産価値があるもの」そのように解せば良いのです。
久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)
加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。
講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。
2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。
近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。
主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。