数年前、
あるセミナーのスピーカーの後、
受講者の1人から このような御意見を頂戴しました。
「おれ、中卒なので、中卒でもわかるように、話してほしかった・・」
これ、
私の中では、ターニングポイントの1つとも言えます。
それからというもの
支援先では、相手の理解できる 言葉、レベル、
あるいは、大卒でも学部
このあたりを意識して、必要な助言を心掛けています。
このようなデータがあります。
出所:https://honkawa2.sakura.ne.jp/3165.html
全般的には、近年入社した方々へのOJTやOFF-JTの社員教育においては、
高学歴な方が多いので、ある程度、気を使わずに、教育を進めても、理解してくれるものと思います。
しかしながら、
1970年代までに入社された方々、
つまり、小規模や中小企業の経営層の方々や役員の方々には、
まだまだ多くの中卒の方もいらっしゃいます。
無論、経験を重ね、学び、
相当、理解のある経営者もいますが、
やはり、商工会などのセミナーでも、
先の受講者のような「意見」をお持ちの経営者も多いのでしょう・・。
とくに、土木建設業、小売業、飲食業、食料品製造業においては
近年の入社組においても、中卒、高卒も比率としては、他業種に比べ、多いとする2次データもあります。
無論、過去も同様ですので、
他業種に比べ、全年齢層、同様のことが言えます。
要するに、3Kと言われる現場でもありますので、
高学歴の方々が
嫌煙する職場なのでしょう。
さて、
ここで、私が言いたいのは、
社員研修等のレベル合わせの重要性です。
せっかく 高いお金を払い、外部の指導を受けるのであれば、
このレベル合わせが1番、コンテンツより大事な気がします。
もう1つ言いたいのは
これらの学歴の方々の経営者が、
現在の個人や小規模事業者においては、多勢だということです。
つまり、
商売というのは、中卒、高卒の学びで充分だとも言える側面があるということです。
そうであるならば、海外の「いずこ?(笑)」のように、
高卒、中卒間もなく、直ちに起業が実現できる教育も
公的な教育の中に、もっと、盛り込まれて良いのだと思うのです。
また、そのような起業が、受け入れられる文化形成も
産業隆盛には、必要なのでしょうね♪
久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。
講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。
2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。
近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。
主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。