販路開拓で初心者でもわかる商圏分析の仕方(5)

今回はこれまでの情報を基に、売上の見込みを算定する方法をご案内します。
そこで、今回の目次はこちらになります。

(4)商圏分析で売上見込を算定する方法
a)1次産業の算定の考え方
b)2次産業の算定の考え方
c)3次産業の算定の考え方

なお、前回までの記事は以下になります。
必要でしたらご覧ください。
1回目(クリック)2回目(クリック)3回目(クリック)4回目(クリック

(4)商圏分析で売上見込を算定する方法
 机上で設定した商圏を基に、売上の見込を算定するには、以下の式を活用することになります。

 売上見込=商圏内人口(または世帯数)×1人あたり消費額(または世帯あたり消費額)
 
 これまでのプロセスで、商圏内の人口や世帯数は明らかですので、あとは1人あたり消費額や1世帯あたり消費額を、政府統計から引用するところがポイントになります。もちろん、逗子市内に限った統計もありますので、そちらを活用すれば、より精度が高まります。

a)1次産業の算定の考え方
 ポイントは1人あたり消費額や世帯当たり消費額の根拠データを「どこから引用してくるか」になります。各市町、県、全国の順に、根拠データの信頼性は高まることは容易に想像できるはずです。なるべく最小の行政区の統計データから引用する方針で進めるのが鉄則です。それでも見当たらない場合、県、全国の順に引用元を拡げていきます。
 例えば、キュウリを栽培している生産者だとしましょう。キュウリの1人あたり消費額や世帯当たり消費額は、例えば、総務省の家計消費支出から引用することが可能です。最新では2017年度を活用すると良いでしょう。この中身を見ていくと、世帯当たりのキュウリの年間消費額は、1,575円という項目が存在します。この値を活用することになります。仮にあなたの出店しようとする商圏の世帯数が1,000世帯だとした場合、次のように見込売上を算出することになります。
販売促進 商圏分析 久保正英①.jpg

b)2次産業の算定の考え方
 例えば、納豆の製造業者だとしましょう。納豆の1人あたり消費額や世帯当たり消費額は、例えば、総務省の家計消費支出から引用することが可能です。最新では2017年度を活用すると良いでしょう。この中身を見ていくと、世帯当たりの納豆の年間消費額は、3,229円という項目が存在します。この値を活用することになります。仮にあなたの出店しようとする商圏の世帯数が1,000世帯だとした場合、次のように見込売上を算出することになります。

販売促進 商圏分析 久保正英②.jpg

c)3次産業の算定の考え方
 例えば、エステ・リラクゼーション施設が商圏の売上見込を算定する事例で理解を深めていきましょう。エステの施設の1人あたり消費額や世帯当たり消費額は、なかなか市町村や県単位で根拠を見つけることが困難です。そこで全国区で検討することになります。例えば観光庁には、旅行・観光消費動向調査という2次データが存在します。この中身を見ていくと、エステ・リラクゼーションという項目が存在します。ここには1人あたり433円という消費額を拾うことができますので、この値を活用することになります。仮にあなたの出店しようとする商圏の人口が10,000人だとした場合、次のように見込売上を算出することになります。

販売促進 商圏分析 久保正英③.jpg

==今回は以上です==

では、次回以降ですが、以下の内容で進めていきます。

(5)競合を踏まえた商圏分析で売上見込を算定する方法
6.実際商圏の設定(実査による商圏の設定) と売上見込の算定
(1)実査書と集計
(2)集計結果を踏まえた売上見込の算定
・売上高比較法
・重回帰分析法
7.売上差異分析による改善項目の洗い出し
(1)売上差異の認識
(2)改善ポイントの検討
8.広域商圏設定
9.商圏分析の事例

このうち(5)、6の(1)くらいまで進めれたらと考えています。

==ではまた!==

今回のキーワード:商圏分析,販売促進,商品開発,集客,食品,広告宣伝,久保正英,中小企業診断士,食の集客と商品開発


久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

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