数字で見る飲食店飽和と寡占状態

少し古いデータですが、当時、支援先との会話で必要でしたので、下表のような数字を整理したことがあります。

これは、総務省の経済センサス・基礎調査から抽出し、農林水産省の食料モニター調査の外食頻度データを使い、加工整理したものです。

人口減少も影響し、国民全員の延べ外食回数は減少傾向にあることがわかります。新型コロナウイルス感染症の影響のあった2020年度以降は、なおさら散々たる状況でしたね。

2022年12月中旬(執筆時現在)時点、全国旅行支援等の政策もあり、一部復調傾向ではありますが、地方を中心に、まだまだ客足が伸び悩んでいるのが現状です。

さて、上表を確認していきますと、1事業所(つまり1店舗あたり)で見ると、年に約11,820回の来店が見込めることになります。月あたり985回です。

飲食業界の市場規模は、2021年度は、売上高ベースで27兆412億円(矢野経済研究所より)です。本来なら2021年度の事業所数で割り算すべきですが、少々手を抜いて、上表の平成28年の事業所数で割り算すると、1事業所(1店舗)あたり、37,143,127円の売上を獲得しておける計算になります。あくまで平均ですから、この数字は現実的ではない。

あくまで経験則も踏まえてですが、最頻値は、1店舗あたり400万円~800万円といったところでは無いでしょうか。つまり正規分布表で表現すると、下図のようになり、左が吊り上がり、右にロングテールな状況になることでしょう。

さて、最頻値が左にあり、平均値が右にあるということは、何を意味しているのでしょうか。

それは一部の繁盛店が沢山の売上を稼いでいて、多くの飲食店の売上は「満足できるものでは無い」ということです。つまり小規模零細事業者が多い業界です。

創業や開業に向けて、これから取り組もうという方々は、このあたりの厳しさに目を背けず、参入していただければ、きっと明るい未来が見えることでしょうね。

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久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

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