飲食業、食品製造業、農業者の売上獲得支援をしている中小企業診断士の久保正英です。
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新たに支援に入る際、必ず問われる質問が、売れるメニュー開発の思考の仕方です。これまで記事では、いろんなアプローチを紹介してきたのですが、改めて「ひとこと」で説明するとすれば、以下になるでしょう。
そのメニューの存在価値を記号化すること
そして、その思考のスタートを説明するに、過日のサッポロビールさんの北海道限定メニューで説明できます。それは次の画像です。

つまり、「ここでしか食べれない」「ここでしか飲めない(呑めない)」「ここでしか見れない」の3拍子です。
更に、ヒット性を確保したいのであれば、次の論点も必須でしょう。
「この季節しかない」「この時しかない」「この量や数しかない」
これでわかると思うのですが、観光地などでは、この点、取り組みやすいはずなのです。なぜなら食は究極のローカルだからです。
ですから、話題性のあるメニューや加工食品を開発したい、全店の売上に影響を及ぼすヒット商品を産み出したいのであれば、この6拍子が揃うことを考えることが、すべてのスタートなのです。
余談ですが、私の考えるヒット商品は、一般的な概念とは異なることに留意です。わかりやすいように説明するためにヒット商品と書きますが、私の著書にもあるように、ヒット商品は弊害しか生まないものというのが本音で、おススメしません。
私の考えるヒット商品というのは、そのメニューや商品だけで、売上の過半を確保したり、極大化したりするというものではありません。
あくまで、自店や自社の知名度や話題性を、創出できる代表選手みたいなものです。つまり、「あの店は、***だよ!」とお客様が、友人や知人に紹介しやすいネタのようなものなのです。
久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。
講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。
2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。
近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。
主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。