この質問も多いので
紹介します。
商圏人口等の高齢化が進展する中にあって、
多くの小規模飲食店や食料品製造業の方々が、
このタイトルの論点に行き着きます。
ひと言で、高齢者向け、あるいは介護食といった商品化を口にしますが、
どこを目指すのか
どんなものが、高齢者向けなのか?等々、
はなはだ、根拠がるようで無い事業所が多いです。
そこでオススメしたいのが、
日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類です。
これは根拠立てされていて、硬さ、柔らかさ等々の基準が決められています。
例えば、とろみについても、粘度まで、紹介されているのです。
(出所:日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類)
ですから事業者は、
この中の段階2を目指すのか、3を目指すのかによって、
必要な設備や什器、取組の難易度が異なるわけです。
おそらく、実際の病院食や介護食でなければ、
とろみについて言えば、段階3になるでしょうから、
そのようなとろみを目指す!といった商品開発目標の設定が叶うというもの。
無論、食は、とろみだけで決まるものでは無いので、
他の論点も複合的になるわけですが、
官能検査を行わないのであれば、
まずは、明確な数値設定と、その測定といった経緯をおさえることで、
より現実的な開発プロセスを経ることができますよ。
webでは、
日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類で検索いただければ、出てきます。
食感や食味等々の参考にしてくださいね。
久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。
講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。
2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。
近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。
主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。