居酒屋や和食店は鮮魚を扱うことが多い業態ですね。
お野菜は産直をすすめる事業者が多いのに、なぜ鮮魚は市場(卸売り)を通すことが多いのでしょうか。
その理由を探り、改善策を紹介するシリーズの2回目です。
今回支援先で紹介する事業者の言い訳は、「漁師さんの知り合いがいないから・・」です。
このような理由で躊躇している事業者の皆さんがいましたら、ぜひチャレンジしてほしいことがあります。
それは、仕入れたい漁港傍にある漁師小屋、ここを直接訪ねてほしいのです。漁師小屋とは写真のようなものです。

これは漁師が休む場所であり、漁師が種々の作業をする文字通り小屋です(笑
訪ねる時間は、お昼前くらいが良いでしょう。天候が良ければ漁から帰ってくる時間です。
その上で直接このように話しかけましょう。
「・・で居酒屋(和食店)を経営しているのですが、何か鮮魚を直接仕入れることは可能でしょうか?」
意外なほど、すんなりと、商談成立することが多いですよ。
「漁師さんの知り合いがいないから・・」と気後れしている事業者の皆さん。
ダメもとです。当たって砕けてみましょう♪意外なほど砕けることは無いですよ。
なお、写真のように「のぼり」がある漁師小屋は、間違いなく話は聞いてくれます。ただ、専売にはならないので、自店だけの差別化的仕入れ先にならないことが多いことは留意しましょう。
久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。
講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。
2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。
近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。
主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。