商品やメニューの改善や新商品開発等に使えるツールを引き続き紹介しますね。
当所の各支援先と二人三脚で発見した使えるツールは計5つありました。
今回は、4つめで、「悩み相談サイト」を紹介します。
具体的には、Yahoo!知恵袋、教えてgooが使い勝手が良いですよ。
実際に、Yahoo!知恵袋を使って、1つ事例を見ていきましょう。
ステップ①:商品の開発テーマを決める
今回は飲食店がダイエットを心掛けている方向けの新メニューを検討していることとしましょう。
そのような場合、下記画像のように直接「ダイエット」と直接入力してみましょう。

ここには、ユーザーが「ダイエットという視点で、何に関心があるか?」が検索ワード候補として表示されます。
ダイエットと言えば・・
全般的な方法を知りたい方、食事について悩んでいる方、サプリに頼ったり、筋トレ等々、様々な悩みを持っていることに気付きます。
飲食店が新メニューを検討する場合なら、迷わず「ダイエット 食事」「ダイエット 食事制限」「ダイエット 朝食」あたりに着眼したいところです。
この検索ワード候補は、さらに詳細検索ボタンがありますので、ポチッとしてもらえれば、もっと多くの候補に出逢えます。
ここで肝心なことは、どのようなカテゴリー(検索ワード)で、悩み相談が多いか?これを知ることですね。
私なら「ダイエット 食事」それからタイミングや利用場面の「ダイエット 朝食」に着眼したいかもしれません(笑
ステップ②:開発テーマの中の実際の質問と回答から開発方針を決める
さて、飲食店が新メニューを開発するにあたり開発テーマをステップ①で決めました。
「ダイエット 食事」は飲食店にとって当たり前の論点でしょうから、
「ダイエット 朝食」という「場面」や「タイミング」にフォーカスしてみましょう。
具体的には、「ダイエット 食事」「ダイエット 朝食」という検索ワードで検索をかけ、その中の1つ1つの質疑応答を時間の許す限り読み込んでいきます。
今回は「ダイエット 食事」の中にある「朝食」の論点の質疑応答に注目してみました。下記画像になります。

これはダイエットの視点で、朝食を「どう心掛ければ良いか?」についての問答になっています。
そして、「ダイエットをしていても、朝はしっかり食べないと、1日の活動にあたり必要なエネルギーがもたない」
「ダイエット食は、持続性が悪かったり腹持ちしない」という「やりとり」に納得していることに気付きます。
従って、開発の方針の候補として・・
「必要なエネルギーを摂取でき、且つ、それなりに腹持ちの良い朝食メニュー」
このように定めることが可能になります。
(総括)
いかがでしょうかー。
このようにして、質疑応答を時間の限り確認していけば、多くのヒントに出逢えます。
ビジネスというものは、何かしらの課題や問題を改善するときに、大きな富を得られるものです。
ですから、このようなリアルなユーザーのやり取りには、非常に多くの商品やメニューアイデアが包含されていると言えますね。
久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。
講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。
2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。
近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。
主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。