ブランドって何ぞや?
いろんな説明が世には存在しますが・・
少なくとも小さな事業者には、関係ね^!ってな発想も大切にしたいですね。
小さな事業者は、そもそも 地域の方々に認知されているか、
広域商圏でweb等を介して、知名度が高いことがあるくらいでしょうね・・。
では本題に・・
飲食店の方で物販を考えられている方
農家の方で自らの加工品を販売していきたいと考えられている方
そのような方々に今回は「ブランド」を意識した値付けの話をしたいと思います。
あくまで今回のものは事例ですので
様々な手法が存在するのですが、
ここでは、販売生産性という指標を使います。
販売生産性は、売場1平方メートルあたりの販売高を指しています。
すなわち、この数値が高まるほど売場の稼ぐ力が大きくなる。
そのような解釈で問題ありません。
飲食店であれ、食品スーパーであれ
この指標は様々な場面で活用できますので、
ぜひ、自店の値を計算しておくことをおススメします♪
(農家さんの場合は、耕作面積を売場面積としてもらえれば理解できると思います。)
さて、例えば、私の支援先のレストラン(昔ながらの洋食屋)の事例を紹介したいと思います。
このお店、都内からも近いとあって、観光客、更には地域住民の取り込みに成功し
ここ1年、ようやく(-_-;) 業績回復の兆しです♪
売場面積は34㎡で、ここ1年の売上は月商で約320万円で推移していますので、
販売生産性は320万円÷34㎡=94,117(円/㎡)ということになります。
さて、このお店、店内での物販をスタートしています。
その中で、1番の売行きは、デミグラスソース等のソース類です。
このデミグラスソース
仮に、底辺が5㎝×5㎝の四角の瓶に詰めて、販売したとしましょう♪
そして、その価格をどのようにつけるのか!
それを読者の皆様に考えて欲しいのですー
様々あるでしょうが、今回は販売生産性を使って考えてほしいのです。
考え方は以下です。
1、この販売しようとしているデミグラスソースの瓶の底辺は5㎝×5㎝ですので、底面積は25㎠になります。
2、このお店の販売生産性は94,117(円/㎡)なので、1㎡あたり94,117円の稼ぐ力があります。
さて、この記事のポイントは次です
3、1㎡あたり94,117円の売上を稼ぐに値する「価値」があるお店であると考えます。
4、では、販売しようとしているデミグラスソースの底面積は25㎠ですので、25㎠あたりの販売生産性を求めると、23,529(円/㎡)
5、つまり、このデミグラスソース(^^25㎠の売場を使って販売する以上、月あたり23,529円を稼いでもらわなければならない商品であることがわかります
言い換えますと、月あたり23,529円の価値がある商品だと言えますね♪
ブランドという何だか空想めいた(笑)言葉で、
このお店はブランドがあるから少々値付けが高くても大丈夫♪ってな、話を耳にしますが、
その値付けの思考は、はなはだ適当・・(-_-;)
今回ご紹介したような販売生産性を使用すれば、
売る力=価値 と捉えることも可能ですので、ブランドを表現する価格設定にもつながるというもの(^^
さて・・大事なことを書いていません。。
デミグラスソース1瓶 容量はいくらにすればよいのか・。
で、かつ、1瓶23,529円ってな価格を付けて売れるとも思えません。
そのように思われた方
正解です。
どうやって価格や販売量を決めるか、このことを次は検討していかなければなりません。
例えば、月に10瓶販売するとすれば、2500円の値付けをしておけば、23,529円をクリアーできます。
ですから、2500円で利益が出ているかを確認すれば良いのですね。
コスト(原価)の計算方法は、既にメルマガで記載していますので参考にしてください。
さて内容量(容量)の方です。
これは、1食あたり、さらには、販売目標本数、この両方を睨めっこしながら 決めていってくださいね。
今回のキーワード:価格設定,集客,物販,飲食店,食品物販,マーケティング,販売促進,商品開発,メニュー開発,食品,広告宣伝,チラシ作成,販路開拓,販促
久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。
講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。
2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。
近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。
主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。