景気対策・商品券事業の課題と模範と今後

以前にも記事にしましたが、
新型コロナウイルス感染症の影響で低迷する「消費者購買行動」を誘発すべく
市町村単位で種々の商品券事業が実施されています。

そんな中にあって、とても模範とも言える取組が支援先エリアにありますので紹介です。
それは神奈川県愛川町の「地域盛り上げ券」です。
参加各店は店頭に下記画像のような「のぼり」を掲げています。
IMG_1771.jpg

この取組のオススメポイントは、他エリアと比較して整理しますと以下のようになります。

・何のための商品券なのかが町民全体に伝わっている

 そもそも同町の商品券の名称が、景気盛り上げ(モリアゲ)券となっていますから、参加する飲食店や小売店の方々、その商品券を利用する消費者も、町内の景気対策のための事業だと明確です。概ね、他地域ですと、景気対策だと薄々認識はしているものの、商品券の名称が、プレミアム商品券といったように、何だか、目的意識を地域に浸透させることに苦戦している気がします。

 つまり、同町の場合、商品券の名称そのものが「記号」となっており、消費(購買)促進機能を持っている好事例だと言えます。

・行政指導でマーケティングが機能している

 愛川町の素晴らしいところは、行政担当者がマーケティングに明るいということです。よって他地域のように、商品券を町民に販売するといった戦術は採用しませんでした。なぜなら、他地域で見られるよう、買える方、買わない方が発生し、売れ残りなど、想定通りの経済効果が得られないと判断したからです。そこで同町では、全町民1人あたり3000円を配布したのです。

 行政担当が素晴らしいのは、「町民の人数×3000円」を「改善すべき消費低迷マーケット規模」と計算して実施していること。このターゲット市場と充足すべき規模を明確にして取り組んでいるとことが、素敵です。予算で3000円になってしまった。このような発想ではないところがポイントです。

 また、この画像の「のぼり」は無論、行政提供です。Go to eatのような、店対応では、必ず経営資源が乏しい、個人・小規模事業者が、明確に参加している旨を、車道の御客様等に伝えることが困難です。このように一律にすることで、個人・小規模事業者が明確に参加している旨を表現できることになります。つまり、この「のぼり」そのものが「記号」であり、消費促進に「来店促進に」一役を買っています。

・小規模事業者に恩恵があるように設計されている

 同町の商品券ですが、実は、大型店(大規模チェーン等)では、1000円しか使えないようになっています。つまり、2000円は、小規模・個人事業者しか使えないのです。

以上、

まだまだ、新型コロナウイルス感染症の影響は、猛威と脅威です。
今後、第二弾、第三弾を実施の商品券事業担当者は、ぜひ、同町の取組みを参考にしてください。
ここで紹介した背景は、ほんの一例です。

 

久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

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