ブランド価値を価格(値付け)に反映する手順や方法

飲食業、食品製造業、農業者の売上を獲得する支援をしている中小企業診断士の久保正英です。

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今回は、ブランドを価格に反映する方法、つまり値付けの仕方について紹介します。

ブランドという何だか空想めいた言葉で、「このお店は、ブランドがあるから少々値付けが高くても大丈夫」というように、指導をする先生方がいらっしゃいますが、その値付けの思考は、はなはだ根拠が足りない場合があります。

そこで、今回はブランド(小規模事業者の場合、お店や商品のイメージ)を値付けに反映する方法について紹介します。事例で扱うのは、神奈川県鎌倉市にある洋食屋です。

アプローチには、いくつか方法はありますが、今回は小規模事業の飲食店や食品製造業の方も、実践しやすい方法だと思います。

必要な場面は、以下のようなときですね。
・飲食店の方で物販をはじめようとされる方
・農家の方で自らの加工品を販売していきたいと考えられている方
・食品製造業や飲食店の方々が、メニューや商品の適正な値段はいくらくらいだろうと悩まれている方

このような方々は、ぜひ、「販売生産性」という指標を使ってみてください。

これは、売場1平方メートルあたりの販売高(売上)など、単位面積あたりの売上を指しています。すなわち「この数値が高まるほど売場の稼ぐ力が大きくなる」、そのような解釈で問題ありません。

飲食店であれ、食品スーパーであれ、この指標は様々な場面で活用できますので、ぜひ、自店の値を計算しておくことをおススメします。
なお、農家さんの場合は、耕作面積を売場面積としてもらえれば理解できると思います。また食品製造業の場合は、工場の面積と捉えてもらって差し支えありません。

さて、例えば、私の支援先のレストラン(昔ながらの洋食屋)の事例を紹介したいと思います。このお店、地域住民の取り込みに成功しているのですが、さらに都内からも近い観光地(鎌倉市)とあって、観光客の集客も実現できるようになりました。

売場面積は34㎡で、ここ1年の売上は月商で約220万円で推移していますので、
販売生産性は220万円÷34㎡=64,705(円/㎡)ということになります。

さて、このお店、私の支援で、店内での物販をスタートしています。その中で、1番の売行きは、デミグラスソース等のソース類です。

このデミグラスソース、仮に、底辺が5㎝×5㎝の四角の瓶に詰めて、販売したとしましょう。そして、その価格をどのようにつけるのか、これを読者の皆様に考えて欲しいのです。

私の過去の記事でも、様々な値付けの方法をご案内しましたので、そちらの視点でも構わないのですが、せっかくですので、販売生産性を使って考えてほしいのです。ブランドは、その事業者の稼ぐ力と言い換えることもできますので、短面積あたりの稼ぐ力を表す「販売生産性」は大いに活用できます。

考え方は以下の手順です。
1、販売しようとしているデミグラスソースの瓶の底辺は5㎝×5㎝ですので、底面積は25㎠になります。

2、このお店の販売生産性は64,705(円/㎡)なので、1㎡あたり64,705円の稼ぐ力があります。

3、単位換算すると、1㎠あたり6.47円稼ぐ力があると解せます。

4、1㎠あたり6.47円の売上を稼ぐに値する「価値」があるお店だと、お客様が(結果的に・・)認識していると解釈しましょう。

5、販売しようとしているデミグラスソースの底面積は25㎠ですので、25㎠あたりの販売生産性を求めると、6.47(円/㎠)×25(㎠)=161(円/㎠)

6、つまり、このデミグラスソース25㎠(低面積)の売場を使って販売する以上、月あたり161円を稼いでもらわなければならない商品であることになります。

ブランドという何だか空想めいた(笑)言葉で、このお店はブランドがあるから少々値付けが高くても大丈夫というような値付けは、根拠に乏しいです。ぜひ、根拠をもった値付けを検討していただけたらと思います。

なお、販売効率を上げるには、このデミグラスソースの上に重ねるようにもう1つ陳列することができれば、単位面積(25㎠あたり)の稼ぐことができるポテンシャルが倍増することになります。これが販売効率と言われるものです。

また、売場面積を50㎠とするならば、161円×2瓶の売上が必要ということになります。

今回ご紹介した販売生産性を使用すれば、売る力=価値 と捉えることも可能ですので、ブランドを表現する価格設定にもつながるというものです。

難しいことではありませんので、ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。

久保 正英(中小企業診断士・マーケティングコンサルタント)

加工食品事業者や飲食店等の消費者向け商売の「マーケティング」戦略立案と実行支援に日々取り組む。 支援する事業者のスキルや、置かれている事業環境を踏まえた「実現性の高い」支援が好評である。

講演やセミナー、執筆においては、「出来ることから出来るだけ実行」をモットーに、実効性の高い内容を傾聴、傾読できる。

2016年には、記号消費論を活用した「集客の手法論」を広く世間に公開し、その内容が認められ「中小企業庁長官賞」を受賞した。

近年は、存在価値論を支援研究テーマに掲げる一方、農林水産省や環境省の委員を2013年以降現在まで歴任しており、飲食業、食品製造業、農業、水産業といった業種の政策への提言も積極的に行っている。

主な著書に『飲・食企業の的を外さない商品開発~ニーズ発掘のモノサシは環境と健康(カナリア書房)』 『「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ (DO BOOKS・同文館出版)』がある。

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